「いやがうえにも」とは、現状からより一層、より一段とその傾向が強くなることを指す言葉です。

ただし、この「いやがうえにも」を漢字で書く際には「嫌が上にも」とはなりません。
正しくは「弥が上にも」となります。

では、そもそもこの「いや」というのはどういう意味があるのでしょうか?

ここでは「いやがうえにも」という言葉の意味や類義語について詳しく解説する他、誤用の多い「いやがおうにも」についても解説します。

目次
「いやがうえにも」とは
 ・「いやがうえにも」の意味
 ・「いやがうえにも」の類義語
 ・さらに
 ・より一層と・より一段と
「いやがうえにも」の「いや」の正体
 ・「嫌」ではなく「弥」

「いやがうえにも」とは

「いやがうえにも」のいやは「嫌」ではなかった?!なら何のことを意味する?
(画像=『FUNDO』より引用)

「いやがうえにも」とは以前にも増してその傾向が強くなることを意味しています。
状況がより改善するどころか激しくなるときなどに用いらる言葉となっています。

まずは、詳しい意味と類義語について見ていきましょう。

「いやがうえにも」の意味

「いやがうえにも」には、なおそのうえに、ますますという意味があります。

既にそうであるのに、よりその傾向が強くなる、ということを指しています。
以前にも増して激しくなる、といった意味で使われる傾向にあります。

例文としてひとつあげましょう。
『最近導入されたシステムの影響で、いやがうえにも新しいパソコンを購入を検討する必要がある』
この場合、おそらく現在のパソコンは旧式なのでしょう。
レスポンスが悪いという状況から、新しいパソコンを購入した方が仕事の効率がよくなるという声が現場から上がってきているのかもしれません。
そのうえ、導入したシステムが更に過負荷を与えるものですから、以前にも増してパソコンの新規購入を考える必要性が出てきた状況だということが想像されます。

「いやがうえにも」の類義語

「いやがうえにも」にはどのような類義語があるのか、ここではいくつかご紹介します。

さらに

「さらに」は、そのうえに、重ねてという意味があります。
「雨がさらに強くなった」と用いることができ、より現状からさらにその傾向が強くなったことを表現する際に使える言葉ですね。

より一層と・より一段と

「より一層と」や「より一段と」は、よりその傾向が強くなることを意味する言葉です。
現状やこれまでの状況に比べるとより進展した際に用いられることが多いです。

「いやがうえにも」の「いや」の正体

「いやがうえにも」のいやは「嫌」ではなかった?!なら何のことを意味する?
(画像=『FUNDO』より引用)

「いやがうえにも」を漢字表記にすると「弥が上にも」となります。
断じて「嫌が上にも」ではありませんが、ではなぜ「弥」と書くのでしょうか。

ここではその理由について解説します。

「嫌」ではなく「弥」

「いやがうえにも」の「いや」は「嫌」ではありません。
正しくは「弥」となるので、誤表記しないように注意が必要となります。

では、なぜこの「弥」という表記になるのでしょうか。
実は、この言葉だけである状態がだんだん甚(はなは)だしくなることを指し、ますますという意味があります。
他にも「弥」を使う言葉としては、より一層栄えていく様子を指す「弥栄(いやさか)」があります。

ちなみに、「上にも」には加えてという意味があります。