ポリエステルスーツの素材の特徴・デメリット
ポリエステルスーツは耐久性に優れ、保管しやすくシワになりにくい、速乾性があり色落ちしにくいといったメリットがあります。一方で、ポリエステルスーツにはデメリットもあります。
ポリエステル素材のスーツのデメリットとしては、静電気が発生しやすい、ニオイやカビが発生しやすいといったことが挙げられます。
特徴・デメリット①静電気が発生しやすい
ポリエステル素材は静電気が発生しやすく、特に空気が乾燥しやすい冬は注意が必要でしょう。乾燥する季節は静電気が発生しやすく、ポリエステルスーツを着用することで髪の毛が乱れやすくなります。
髪の毛が短い方は静電気が発生してもほとんど影響ありませんが、長い方は髪の毛が逆立つなど乱れやすく、清潔感がなくなり見た目が悪くなってしまいます。髪が長い方は冬場はポリエステルスーツを避けるか、静電気対策をとるようにしましょう。
特徴・デメリット②ニオイやカビが発生しやすい
ポリエステル素材は吸湿性が低いため湿気を吸い込みにくく、速乾性があります。濡れても乾きやすく、サラサラの手触りや着心地をキープできるのがメリットですが、吸湿性が低いと湿気が溜まりやすくなり、ニオイやカビが発生しやすくなるというデメリットもあります。
特に汗をかきやすい夏場は湿気が溜まりやすいので、ポリエステルスーツを着ているとニオイが気になりやすいでしょう。また湿気が溜まることでカビも発生しやすくなるため、着用後に雑菌スプレーをかけて干しておくなど日頃のケアが必要です。
天然繊維の機能を模したポリエステルスーツも開発
ポリエステル生地は天然繊維の麻や綿を模倣するため作られた、優れた合成繊維です。ポリエステルはポリエチレンテレフタレートという化学物質を溶解した後に紡績するので、糸の形状を変える、抗菌素材を練り込むといったこともでき、さまざまな機能性を持たせることができます。
通常はコットンのような手触りですが、ウールやカシミヤなど他の天然繊維の機能を模したものも開発されています。
ウールライクなポリエステル生地は、毛足のある見た目やもこもこの手触り、ストレッチ性や保温性もありウールそっくりですが、化学繊維のため虫害を受けにくく価格もリーズナブルです。また丈夫で自宅で洗濯できる、動物を傷つけないといった点も魅力でしょう。
カシミヤを上回る肌触りのポリエステルスーツ
ポリエステル表面にアルカリ処理を施し水を加えて分解すると、繊維が細くしなやかになります。ポリエステルはもともと滑らかな風合いが特徴ですが、より上品で繊細な印象に仕上がるためレディースブラウスなどにも使用されます。
またカシミヤを上回る肌触りを実現したポリエステル生地も開発されています。バネのようならせん構造の分子で作られたポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を使用した「ソロテックス」は、高級素材として知られるカシミヤを上回る肌触りとしなやかな動き、型崩れのしにくさを実現した高機能素材です。
ウールやカシミヤなどの天然繊維を模したポリエステルスーツなら、安価で高級感のある見た目のスーツを手に入れられるでしょう。