ハードルその9:体力と機動力

カヤックか2馬力ボート、どちらにするか迷う大きなポイントが「どちらが体力を使うか」、「どちらが海上での機動力があるか」ではないでしょうか?

カヤックは体力が必要?

カヤックは人力で進むものなので、当然ある程度は体力が必要です。鳥山を追いかけて全力でダッシュすると、息が切れて汗もかきます。

とはいえ、釣りをしている間、常に漕ぎ続けるわけではありません。基本的に、最初に目指すポイントに到着したら、その後はカヤックを流しながら釣り、流された分少し戻るのをくり返し、大きくポイントを変えたくなったら長めに漕いで……というイメージです。

ベタ凪であれば、カヤックが流されずのんびりと釣りができて、それほど体力は使いません。

もっとも体力が必要とされるのは、不意に荒天になって岸まで戻るときです。沖へ沖へと流される状況では、休むことなく漕ぎ続けて無事に着岸しなければなりません。

風や波、潮流に逆らう場合、なかなかカヤックのスピードが出ないことを忘れないこと。普段の巡航速度は時速4〜7kmほどですが、海面が荒れると時速2〜3kmほどまでスピードが落ちます。

カヤックの機動力

意外と忘れがちなことですが、カヤックの機動面のメリットを感じるのは、ちょっとした移動や向きを修正するとき。いちいちエンジンを始動することなく、ほんの少し漕ぐだけで自分が思ったように動かせるので、釣りをする上で便利と感じる場面が多いです。

2馬力ボートは疲れない?

2馬力ボートで体力を使うのは、陸上での作業がほとんど。出艇してしまえば、エンジンで移動するので非常にラクです。恵まれた条件の場所から出艇できれば、それほど体力を使うことなく釣行を終えることができます。

巡航速度は、MAX時速8〜10kmくらい。もちろん、カヤックとちがい体力による制限がないので、長い距離でもそのスピードを維持することができます。

ただし、カヤックと同様に荒天時にはスピードがガクッと落ちるので、むやみに沖に出るのは要注意。毎年、2馬力ボートによる帰着困難事例も発生しています。

機動力は場面次第

体力面のハードルはカヤックの方が高いです。ただし、2馬力ボートは海上に出るまでに体力が必要なことがあります。機動力は、クイックさが必要な場面はカヤック、長距離の移動は2馬力ボートが優れています。

レンタルや体験会を利用する

カヤックか2馬力ボートか、どうしても決められないときや、買うかどうか決心がつかないときは、レンタルボートやカヤック体験会などを利用して、1度実際に乗ってみるのがおすすめです。

操作感や釣りのしやすさを実感でき、経験者の生の声も聞けます。許可を得て、カヤックをもち上げてみたりボートを引っぱってみたりできれば、より具体的に自分との相性がはっきりするでしょう。

購入するのは、その後でも全然遅くはありませんよ。