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5ドアのS-ワゴンを主力に据えて大正解!だった9代目
日産からトヨタOEMへ変わりつつ継続中のファミリアバン

5ドアのS-ワゴンを主力に据えて大正解!だった9代目

最初から「普通の3ドアハッチバック」でよかったんだよ…最後はワゴンで有終の美を飾ったマツダ ファミリア【推し車】
(画像=ファミリアS-ワゴンは「ワゴン」と名付けて大成功した5ドアハッチバック車の1つで、画像の「フィールドブレイク」のように、時流に沿ったRV仕様も販売された、『MOBY』より 引用)

1998年6月に9代目へとモデルチェンジしたファミリアは、ある意味で保守的、堅実なクルマづくりに回帰したモデルでしたが、唯一時代に適合する新たな存在として市場にも歓迎されたのは、5ドアハッチバックの「ファミリアS-ワゴン」でした。

安くて手頃な価格の3ドアハッチバックは8代目を継続生産しつつ、ワゴンブームに乗って「ショート(S)」を冠したS-ワゴンを前面に押し出しますが、その頃には「実用性で不便な3ドアが売れなくなり、ワゴンブームで抵抗のなくなった5ドアが売れる時代」です。

だから9代目で3ドアを作らず5ドア車で主力としたのは大正解で、明らかに日産 ステージア(1996年)を模したと思しきLクラスワゴンをサムライが前後ブッタ斬り、渋滞をスイスイ抜けるファミリアS-ワゴンのCMイメージもあって、スマッシュヒットとなりました。

車格も1.3~1.5リッター級に戻ってセダンにはいすゞ製1.7リッターディーゼル車も追加、さらにS-ワゴン、後にセダンも含め2リッターDOHCエンジンを積む「スポルト20」を設定し、セダンのスポルト20追加に先立っては特装車で「マツダスピードファミリア」発売。

後のアテンザやアクセラでも行われた「高性能なマツダスピード仕様」の先駆けとなっており、4WDターボでWRCに参戦するような派手さこそなかったものの、再び元気を取り戻しつつあるマツダの余裕を感じさせたのです。

革新的ではなかったものの手堅く、そしてブームを抑えた9代目ファミリアは、回復途上にあるマツダの中核車種として、後継車アクセラ登場後もS-ワゴンが2004年4月まで販売され、その役目を終えました。

日産からトヨタOEMへ変わりつつ継続中のファミリアバン

最初から「普通の3ドアハッチバック」でよかったんだよ…最後はワゴンで有終の美を飾ったマツダ ファミリア【推し車】
(画像=現在もファミリアの名は続く…2023年時点で販売されているのはトヨタ プロボックスのOEM、「ファミリアバン」だ,『MOBY』より 引用)

2004年で終わったかのように見える「マツダ ファミリア」ですが、実は2023年現在もその名を受け継ぐマツダ車が存続しています。

1994年で生産を終えたワゴンの「ファミリアワゴン」、商用ライトバンの「ファミリアバン」の後継モデルは日産からADシリーズのOEM供給を受け、ADワゴン(後に初代ウイングロード)がファミリアワゴン、ADバンがファミリアバンになりました。

1999年にはADバン/ウイングロードのビジネスシリーズとともにモデルチェンジ、RV的な一般向けファミリアワゴンは、乗用登録ながら商用用途のビジネスワゴンのみが継続(ただし2000年までの短期間)。

2007年には現行ADのOEM供給へとモデルチェンジしたものの商用登録のバンのみで、やがてマツダがトヨタ陣営へと組み込まれると、2018年からはトヨタ プロボックスのOEM供給へ切り替わり、現在に至っています。

SUVへ注力するためミニバンや商用車の自社生産を廃止したマツダにとって、ボンゴ(トヨタ タウンエースOEM)やボンゴブローニィ(同ハイエースOEM)とともに、OEM車でありながら信頼性や実用性に優れた車種であり、今後も名車の名を残していくのでしょう。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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