釣りバカ日誌のハマちゃん作戦
そこでこれは、釣りバカ日誌のハマちゃん作戦しかないと、まことしやかな口実を作りました。その口実を使うタイミングが肝要で、嘘を誠にする機会を練りながら休みを申請。その当日は、天候にも恵まれ絶好の釣りの日に沖に出ました。
期待の1日が始まります。腕は大したことないので、あとは、運と魚のご機嫌だけが釣果に現れますが、本当に釣れました。それが、第1投目から良型メバルが釣れ、連続します。ガシラ(カサゴ)もポンポンですし、型物のアイナメも釣れるしで、とにかく千客万来です。
冬の釣りでこんなことがあるのかと思うほどで、船中大賑わいでした。休むのに苦労しながら釣りに来たかいがありましたが、そんなズル休みの苦労もない他の釣り人に、なんとなく嫉妬です。隣のオヤジも満面の笑みで釣っています。
しかし、船長は釣れない日(潮)を知っていて、そんな日でも何食わぬ顔をして釣り客を乗せて沖に行きます。釣りは、釣果だけが目的でなく、釣りに行く、それも船に乗って沖に出るということ自体が醍醐味。貧果であっても楽しい一日と解釈するのですが……、釣れるに越したことはないですね。
釣りは潮回りがとても重要
それからというもの、出勤交番で休日を事前に確保できるように、いわゆる休日に合わせた釣りから僅かでも潮に合わせた釣りができるようにと、潮の勉強をしました。船長に狙いものの魚が釣れる潮を教えてもらい、それなりに解釈をして予定を作りました。
とは言うものの、思うような日に休みを取得できないので、釣りに行ける休日の中でどの日が釣れるか潮を見るということを当時は懸命にした覚えがあります。現在のボート釣りにも活用していますが、「この日ならば釣れるかも」という読みが釣果につながる確率は微々たるものです。一流の釣り船の船長の読みはさすがといえますね。
まあ、ズル休みをして大漁釣行するとは、面の皮の厚い図々しさでした。ハマちゃん作戦は、あくまでも秘蔵の奥の手で、数年1回レベルにしておかないと疑われます。お気を付けください。
<丸山明/TSURINEWSライター>