まだまだ若かりし頃、Windows95の少し前のアナログ時代の話です。映画「釣りバカ日誌」のハマちゃんよろしく口実を作って会社を平日に休んで、釣りに行き大漁をしたことがあります。今回はそのときのエピソードをお話ししたいと思います。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・丸山明)
会社を休むためのウソ
当時、私は明石二見港の乗合船に通って、いわゆる常連さんになっていました。今よりも狙いものの魚種も多く面白い時代で、SNSはもちろんインターネットもない紙と電話の時代です。
釣り情報は、スポーツ新聞の釣り欄にある縦書き2〜3行の船宿釣果で、それ自体怪しい情報網でありました。
まあ、現在とは違いSNSでとやかく言われ、無難なことしか言えない時代と違い、船長からいろいろと甘辛情報があり、話も豊富だったように思います。
平日に釣果が見込めそうだった
冬のある日、根魚でメバルやガシラ(カサゴ)狙いですが、こんな以前ですから魚影も濃く、寒さを忘れて楽しく釣っていました。しかし、その日は、釣れないしアタリすらなく、寒さが身に染みるような日でした。
筆者「船長、釣れないよ。」
船長「ああ 今日の潮は釣れんだろう。」
なんといい加減なことを言うもんだと思いました。向こうも商売だから釣れるような顔をして出航していますが、ちゃんと結果が見えているようです。
筆者「釣れる潮の日はいつ?」
船長「この日だ。」
とカレンダーを指さしたのは、平日のど真ん中の日を教えてくれました。この日ならば、狙いものかなり釣れるだろうと、言うのです。
「わかった。なんとしてもその日に来るよ」と言いましたが、天気予報も気になりながらも少々の時化でも出る船でしたから、問題は会社をどうするかです。
ネットがなかった昔ならではのやり取り
SNSがおもしろくない時代を作ったようで、今時こんなことを乗合船でいう船長はいないでしょう。すぐに尾ひれがついて広まってしまいますからね。でも、こういう話を聞きながらひとつひとつ自然相手の釣りを覚えていくようです。
今、私はボートで釣りをしていますが、隣を流している乗合船、「魚探に反応出ましたよー」って船内アナウンスしているのですが、誰もサオが曲がりません。
小艇の魚探には、ベイトすら写っていません。リップサービスもいい加減にしてほしいところですが、教えてくれたその日に釣りをするにはどうすれば良いか考えました。