(本記事は、加藤 鷹幸氏の著書『人生100年時代を余裕で生き抜くレバレッジ資産形成法』の中から一部を抜粋・編集しています)
資産形成を行うにあたって気を付けたい3つの注意点
私が考える資産形成の具体的なノウハウについて触れていく前に、資産形成を行う上で知っておきたい、3つの注意点についてお話しさせてください。資産形成においては、どれだけ稼げるかという攻めの姿勢も大切ですが、いかに損を回避するかという守りの姿勢がより重要な意味を帯びてきます。
ここで取り上げる3つの注意点を守れば、少なくとも資産形成を始めてすぐに大損する…ということはなくなります。どれも難しいことではないので、気楽に読み進めてくださいね。
(1)親世代の資産形成術をそのまま使ってはいけない
子どもの頃に両親や祖父母から、「お金は郵便局に預けておきなさい」といわれて育ってきた方は多いと思います。1950年代以降の高度経済成長期には、金利が8%くらいに設定されていたため、銀行や郵便局に預けておくだけでも多額の利息がもらえました。
その頃のイメージが強く残っている親世代からすれば、「銀行にお金を預けておくのが一番」と考えるのは無理もありません。
しかし、昨今は金利が0.01%を下回るレベルの超低金利時代。親世代と同じことをしていたってお金が増えないばかりか、ATM手数料で余計な現金を奪われ、元本割れしてしまうリスクだってあるのです。
また、1990年代のバブル崩壊を経験した世代からすると、投資や資産形成は悪と考えます。現金で貯金する、できる限りお金は使わないようにする考え方ではお金を増やすことも守ることもできません。
親世代の資産形成術を真に受けて実践するのは、まさに時代錯誤なやり方なのです。
(2)「検討中」で時間を浪費するのは一番の愚策
投資や資産形成を始めるとなると、どうしても不安になって「考える時間」を取りたいと考えるかもしれません。一晩じっくりと考えてから、投資を始めるかどうかを決める…なんてタイプの人は少なくありません。
しかし、資産形成においては時間の浪費が一番のリスクです。なぜなら、投資では「複利」という仕組みがあるため、始める時期が早ければ早いほど有利になるからです。
仮に100万円を10%の利回りで運用したとすると、1年後には110万円になります。この投資を20歳のときから60歳まで、40年続けたとしましょう。すると40年後には4526万円にまで増えている計算になります。
一方で、10年遅れて30歳のときからこの投資を始めて、30年間で資産を増やしたとしましょう。この場合は1745万円にしかなりません。たった10年投資する時期が遅かっただけで、最終的には3000万円近い差額が生まれるのです。
これがいわゆる「複利のパワー」と呼ばれるもので、投資や資産形成するなら早いことに越したことはないといえる根拠です。新しいことに挑戦するときは誰でも足踏みしてしまうものですが、その足踏みから一刻も早く抜け出すことが、もっともシンプルかつ効果的な資産形成術なのです。
(3)お金を1つの場所に集中させるのはハイリスク
「卵は1つのカゴに盛るな」という格言があります。自分の全財産を1つの銘柄や不動産に注ぎ込んでしまうと、その資産の価値が下がったときに大きな損を抱えてしまう…そんなリスクを避けるための、先人の知恵のようなものです。
100万円あった資産が80万円に目減りしてしまうのを目の当たりにすると、精神的に大きな焦りが生まれます。人間は損をすることに非常に敏感な性質を持っているので、たとえ数%資産価値が下がっただけでも、ソワソワして仕事が手に付かない…なんてことが起こり得るのです。
全財産を1つの投資に集中させるのではなく、いくつもの投資先に分散して投資することを「分散投資」と呼びます。分散投資を行うことで、資産価値が低下するリスクを抑えることが可能になるのです。
たとえば、株式と債券は逆の値動きをすることで有名です。株式市場が下落しているときには債券市場が上昇し、債券市場が下落すると株式市場が上昇するという関係にあるのです。債券は株式よりもローリスク・ローリターンな投資商品なので、恐慌によって株式市場が下落すると、より安全な資産を求めて債券が買われる可能性が高くなるからですね。
この仕組みを活用して、株式と債券に50%:50%の比率で分散投資することで、資産価値が下落するリスクを少なくすることができるのです。ほかにも投資信託や不動産、通貨、金などの資産に分散して投資することで、さらなるリスク回避を図ることも可能です。
もちろん管理が煩雑にならないようある程度(5つ以内)は投資先を絞るべきですが、分散投資は実践して損はないテクニックです。
提供元・YANUSY
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