4. “忍び足”を検知

 エコロケーションに関係している能力だが、音の反響がなくとも周囲を把握できる能力を人間は持っている。どういうことかといえば、脳は周囲の音を遮っている存在を検知できるのである。

 何らかの企みを持って音を立てずに“忍び足”で近づいてくる存在があった場合、脳は今までストレートに届いていた環境音が何かに遮られて弱くなったことを敏感に察知しているのだ。

「誰かに見られている感じがする」という表現があるが、それは脳がこうしたかたちで人の“気配”を感じているからであるとも説明できる。