海釣りタックル流用の注意点

トラウトは、海の魚に比べてトルクが太い。海でいうメバルやチヌに近いパワフルさである。時折40cmを超える個体が掛かると、その速度と重さは青物も彷彿とさせるくらい非常にスリリングなやり取りになることが大半である。

また、使用するラインもエステルなら0.3号~、ナイロンも3lb、PEでも0.25号など、ルアーの飛距離を稼ぐために細い糸を使用するので、ロッドの仕事=粘りが効くものの方が断然有利である。これらの条件を全て合わせるとメバリングロッドに軍配が上がる。近年のロッドの進化でアジングロッドでも流用可能なものもあるが、おすすめするのはメバリングロッドである。

エリアトラウト流用可能ロッド3選

前述までの内容を踏まえて流用可能なロッドを3つ程挙げたい。いずれもミドルモデルまでの3本で、かつ量販店で手に入れ易いなどの条件を踏まえてのセレクトだ。

1. ヤマガブランクス ブルーカレントⅢ510

Made in Japanを代表するメーカーで、取り回しの良い5ft10inのロッド。しっかりとタメが効き、スプーニングからクランキングまで対応可能。もう一つ短い5ft3inモデルなら小さな子供や女性にも扱いやすい長さである。

2. ジャッカル BRS-S64UL‐LG

海のライトゲームのエントリーロッドであるが、6ft4inと比較的レングスが長い分、中規模のエリアでの活躍が期待できるロッド。Max5gまでのルアーが扱えるため、重めのスプーンやフルサイズのエリア用クランクも扱える。水深の深いポイントでも活躍するだろう。

3. ブリーデン トレバリズムキャビン410

あえてメバリングロッド以外ではというセレクト。おすすめはチタンティップが搭載されている410のモデル。実は筆者がエリアトラウトを本格的に始める前に持ち込んだロッドで、ショートロッドならではの取り回しの良さと掛けた後のスリリングなやり取りに痺れた一本。

マイクロスプーン~1.5gまでのスプーン用のロッドという位置づけで筆者は使用しており、わずかなアタリにもチタンティップが反応してくれる。ドラグ設定や取り込みに少しコツがいるため、少しでもエリアをかじったことのある人向けの一本だ。

技術がソルトで役立つ

エリアトラウトの釣りの醍醐味は、その日の魚のいるレンジと巻く速さをすばやく見つけることにある。基本的にこの2つが合っていれば、多少スプーンの色が合っていなくとも釣れる確率は高くなる。実際には時間帯や活性に左右される部分はあるものの、その日のパターンは必ず存在する。

特に一定のレンジを同じ速度で巻く動作は、厳冬期にかけてのメバリングや潮の流れているレンジを一定に流すアジングに応用も効く。ライトゲームに長けている人が、エリアトラウトにエントリーしてすぐに上達することがある。これは、軽いウェイトのジグヘッドやルアーの重さを体得していて、それが役立っているからだと筆者自身感じる。逆も然りで、エリアトラウトで身につけた技術がライトソルトゲームで役に立つこともあるだろう。

海釣りタックル流用でエリアトラウト入門のススメ 流用可能ロッドも紹介軽量ルアーを操作する点では同じ(提供:TSURINEWS編集部)

カラー&ルアーチェンジでも共通点がある

次にカラーチェンジやルアーチェンジのタイミングに関しても得るものは大きい。水が澄んでいるクリアポンドでは、マスがルアーを追いかけてくる動きや反転するタイミングが目視で確認できる。どのようなカラーで、どんなタイミングでルアーへの興味が薄れるのか、ルアーの動かし方や巻き方の強弱での動きなど、手に取るようにわかるのだ。

実際にメバリングで使用しているルアーをエリアのレギュレーションに沿うようにシングルバーブレスフックに交換して試したことがある。すると、思っている以上にルアーが動いていないことを発見できた。

ソルトと淡水で魚種は異なるとはいえ、どのようにバイトしてくるかも参考になる。つまり、技術的な面や知識的な面において引き出しが増えることに他ならない。