(1)足元から慎重に狙う

昼釣りでは、取りあえずまきエサをサオ先にまいて、仕掛けを沖に普通に投げて、流れに乗せて……という流れで、まず釣り始める人も多いのでは。だが夜釣りの場合は、本当に思いもかけないすぐ足元まで、大型魚は寄ってきていると考えていて構わない。自分の1mにも満たない、目と鼻の先にいる魚を狙わない手はないはずだ。

夜の磯で楽しむ「ウキ釣り」のススメ 日中の釣りとの違いを徹底解説狙い始める場所は足元から(作図:週刊つりニュース西部版 松大)

まずは、どんなに足元でも、昼間にはどんな魚もいそうにない浅いポイントでも、静かに、そーっと仕掛けを入れてみよう。まきエサもまかない1投目から、いきなりウキが沖めがけてぶっ飛んでいく、というケースは枚挙にいとまがない。沖を狙うのは、その後からでも決して遅くはないはずだ。

(2)仕掛けを遠くかつ広範囲に流す

「まきエサと仕掛けを同調させながら釣る」ウキ釣りでこれが大事なのは、誰もが知っているし実行している。

しかし、そのセオリーが通用しないケースに何度も遭遇してきた。一番分かりやすいのが、到底まきエサが届いていない(遠投しても直接届かせることもできない)と思われる沖めに仕掛けが流れて行った時、いきなりウキが消し込んでヒットするようなパターン。

夜の磯で楽しむ「ウキ釣り」のススメ 日中の釣りとの違いを徹底解説潮に乗せて仕掛けを運ぶ(作図:週刊つりニュース西部版 松大)

これが1尾であればたまたま運良く、と説明することもできるが、立て続けにヒットしてくることもあるからたまらない。はるか沖めにクロが多数潜む沈瀬があれば、つけエサのみが流れてきても、その1粒のつけエサを競うように奪い合うシチュエーションになっていることは十分に考えられる。

分かりやすくいえば、「潮を使わなければ仕掛けを届けられない、超沖めのポイント」に仕掛けを届けることができた時は、大チャンスということ。だが、往々にしてこの良い流れが変わる・止まることは早いもの。できれば少しでも手返しを上げ、同じポイントに仕掛けを通す回数を1回でも多くしたい。

(3)ひとつでも多くの足場から釣る

磯によっては、渡船で配布されているポイント図があったり、航空写真集にポイントが図示されていることも多い。ここでいうポイントとは、「1つの磯の、どこに立ってサオ出しするか」という意味でのポイントである。

夜の磯で楽しむ「ウキ釣り」のススメ 日中の釣りとの違いを徹底解説動かないのはNG(作図:週刊つりニュース西部版 松大)

しかし、このように図示されたポイントは、往々にして昼釣りでのポイントを指していることが多い。従って、夜釣りでこれに固執するあまり、1つの釣座から全く動かない=せっかくのチャンスをふいにしている人も多いのではないだろうか。先述の(1)(2)でも示したように、クロはどこに潜んでいるのか分からないのだ。

「夜グロは足で釣れ」という格言もある。要は少しでも多くの仕掛けが入れられる場所に、仕掛けを入れていくのを繰り返す、単純だが根気のいる作業と心得たい。

夜の磯で楽しむ「ウキ釣り」のススメ 日中の釣りとの違いを徹底解説一晩で数周することも(提供:週刊つりニュース西部版 松大)

独立瀬で外周を1周することができる場合、場合によっては一晩で数周することもあり、文字通り「拾い釣り」を地で行く感覚だ。