今日、日本の大手時計メーカーは、非常に高い技術力を有しており、時計製造における大半を自社で行っている。そのため、数万円のリーズナブルなモデルから数百万円という高額モデルまで、製品展開も他社に比べて幅広いことが特徴のひとつとして挙げられるだろう。とりわけセイコーとシチズンは、ターゲットを明確に区別する目的もあって複数のブランドを展開している。
そこで改めて国産腕時計ブランドにはどういったものがあるのか、それぞれの代表モデルとともに各ブランドの特徴や魅力を解説しよう。
まずは、先のドジャース入団会見で大谷翔平選手が着用していたことで注目を集めた“グランドセイコー”を紹介したい。
GRAND SEIKO グランドセイコー
腕時計の本質を追求するメイド・イン・ジャパンの最高峰
国産時計の最高峰として、いまや国内のみならず海外でも抜群の知名度と信頼性を誇るブランド。独自のグランドセイコー規格に則った厳しいクオリティチェックを実施しており、優れた実用性には定評がある。
ルーツは第二精工諏訪工場がかつて手がけていた高級機のロードマーベルとクラウンにあり、フラットな文字盤デザインに多面カットのインデックス、美しい鏡面研磨など、ディテールの詰め方に技術が光る。
機械式、クォーツ式、そしてゼンマイを動力源としながらその発電によってクォーツで調速を行う独自のスプリングドライブを展開しており、いずれも精度へのこだわりにも卓越したものがある。 最近はクロノグラフなどの複雑機構もラインに加わって技術力の高さを誇示しており、今後も国産時計のフラッグシップとしての座は揺るぎない。
グランドセイコーブランドとしては初となる機械式クロノグラフムーヴメントを搭載する“エボリューション9 コレクション テンタグラフ”。岩手山の山肌からインスピレーションを得た文字盤の繊細なパターンに、透明感のあるブルーを組み合わせ、星々が煌めく夜の岩手山を表現している。力強いフォルムとなったケースだが、ブライトチタンを用いて軽量化が図られている。
構成◎堀内大輔(編集部)/文◎巽 英俊
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