4位:南秀仁

4位には、今季チームで最も長い時間ピッチに立ったMF南秀仁を挙げたい。後方からのつなぎや前線でのワンタッチパスなど高い技術でゲームメイクを司りチームを牽引。2ゴール6アシストと数字の上でも確かな結果を出している。同じくチャンスメイクで見れば、アイデア溢れるプレーと正確なパスやクロスで攻撃を彩ったMF國分伸太郎や、期待の若き新戦力MF田中渉らの活躍も忘れてはならない。しかし、中継役として南の働きがあったからこそ前線選手たちの活躍が見られたことも事実。

その出場時間やゴールに直結した数字を見ても、替えの利かない存在であることは間違いない。来季もチームに残ることが決まれば山形で8シーズン目となる南。ゲームメーカーとしての能力に加え、ファンやサポーターにとってもクラブを象徴する選手であることから、手放せない選手4位とした。

モンテディオ山形 サポーター 写真:Getty Images

3位:野田裕喜

守備の要DF野田裕喜も山形が手放せない重要な戦力の1人だ。決定機を阻止するゴールカバーなど、シーズンを通して身体を張った守備力を披露。さらに攻撃でもセットプレーのターゲットとしてその打点の高いヘディングで貢献している。加えて、積極的に縦へ差し込むパスや精度の高いフィードでチャンスの起点としての役割も果たした。

直近4シーズンは守備陣の中央を支えている野田。今季は自身過去最多となる出場試合数と最長出場時間を記録しており、いかに替えの利かない存在であるかが窺える。昨季終了後にDF半田とDF山﨑浩介がJ1クラブへ移籍し最終ラインの主力を欠くこととなった山形。来季こそ昇格に向けて序盤でつまずかないためにも、今季1年で構築してきた守備陣は崩したくないはずだ。そのためにも、中軸である野田の存在が欠かせないことから、手放せない選手3位とした。


モンテディオ山形 FW藤本佳希 写真:Getty Images

2位:藤本佳希

昨2022シーズンは、序盤から第13節までに7ゴールと活躍を見せたFW藤本佳希。しかし、5月に左膝前十字靭帯損傷および内側半月板損傷という大怪我を負い出場はわずか15試合にとどまった。今季は第6節からスタメンに定着し、38試合10ゴールと自身2度目の2桁ゴールを挙げチームのプレーオフ進出に大きく貢献した。相手DFの背後を取る鋭い動き出しとボールを持った時のスピード感あふれるドリブルはもちろん、前線で起点となる動きも多く見せて攻撃を牽引。第23節ベガルタ仙台との「みちのくダービー」では4ゴールをマークするなどシーズンを通して躍動した(4-1)。

シーズン終了後、藤本同様2桁ゴールで攻撃の要となっていたMFチアゴ・アウベスや、昨季9ゴールを挙げ今季も4ゴールと活躍したFWデラトーレと契約更新しないことを発表した山形。すでに新戦力としていわきFCからFW有田稜の加入が決定しているものの、得点源の外国籍選手を手放すことで来季藤本に懸かる期待はますます大きなものとなるだろう。確かな得点力とチームの動向も踏まえて、手放せない選手2位とした。


MFイサカ・ゼイン(横浜FC所属時)写真:Getty Images