■当時のこの地にイスラエル人がいた証拠なのか

 研究者らによると、この呪いは聖書の『創世記』9章6節を反映しているという。

 人の血を流すものは、人から血を流される。神が自分のかたちに人を造られたゆえに(『創世記』9章6節)

 タブレットは半分に折られていて2ページの小さな小冊子のような体裁で、広い意味での“お守り”として信徒が携行していたのではないかと考えられるという。

 研究チームが化学分析を行った結果、タブレットの製造に使用された鉛が製造当時に操業していたギリシャのエーゲ海の鉱山のものであることが判明した。

「公平な心の持ち主であれば、帰納的にそこにイスラエル人がいたという結論を導き出すことも厭わないのではないかと思います」と研究チームのスコット・ストリッピング氏は科学系メディア「Live Science」に語っている。やはこの時代、この地にイスラエル人がいたということになるのだろうか。

 しかしすべての考古学者が“呪いのタブレット”のストーリーに同意しているわけではない。

 ヘブライ大学のアミハイ・マザール教授は、この遺物は漁で使われる仕掛けのオモリとして最適なサイズ、形状、構成を備えていると指摘している。つまりこれは魚釣りのオモリであり、表面に刻まれているのは碑文ではなく自然についた傷であるというのだ。

 またイスラエルのバル=イラン大学の考古学者アレン・マイヤー氏も「Live Science」に対し、タブレットのX線検査を行った分析で、碑文に見えるものは風化の結果として刻まれたものであるとの結論に達したと語っている。

 ご存知のように目下、予断を許さないイスラエル情勢だが、この“呪いのタブレット”はイスラエル人が主張する“約束の地”をめぐる議論にも発展しかねないとすれば一転してなかなかナーバスな話題になるのかもしれない。

参考:「Daily Mail」、「Live Science」ほか

文=仲田しんじ

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提供元・TOCANA

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