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「合体!変身!」デリカの運命を大きく変えた4WD化
RVブームの波に乗り、デリカスペースギアと併売された2代目

「合体!変身!」デリカの運命を大きく変えた4WD化

「最初はどこにでもある、ありふれた星だった」三菱デリカシリーズの運命を変えた車・デリカスターワゴン【推し車】
(画像=『MOBY』より引用)

しかしそのデリカの運命、そして現在に至るまでのイメージを大きく変えた「大事件」が1982年10月に起きました。

1980年に4WDを追加した小型ボンネットトラック「フォルテ」(ストラーダを経て、現在のトライトンのご先祖)のパワートレーン一式を組み込むだけでなく、モノコックボディに強固なラダーフレームを組み合わせた、「デリカスターワゴン4WD」の誕生です。

同じ1982年の5月には、同様の手法でフォルテ4WD用がベースのラダーフレームとパワートレーンに、近代的なクロカンボディを載せた「パジェロ」(初代)がデビューしており、デリカスターワゴン4WDはまさに、「1BOX版パジェロ」でした。

当時のカタログでは「同クラス1BOX車では初の4WD」とアピールし、砂漠や岩場も何のその、翌年パリ~ダカールラリーに初出場するパジェロについていってもおかしくない勇姿を紹介して、「他社の1BOXよりタフなクルマ」と見せたのです。

実際、後に4WDを追加するライバルに対し、ラダーフレームを組んでガッチリ最低地上高まで上げ、ぬかるみや積雪路だけに留まらないクロカン並の悪路走破性までイメージできたのはデリカスターワゴンくらい。

今でいえば、あくまでモノコックボディのクロスオーバーSUVと、強固なラダーフレーム上にボディを載せた、ヘビーデューティーSUVくらい、イメージの差がありました。

RVブームの波に乗り、デリカスペースギアと併売された2代目

「最初はどこにでもある、ありふれた星だった」三菱デリカシリーズの運命を変えた車・デリカスターワゴン【推し車】
(画像=『MOBY』より引用)

1986年には2代目へモデルチェンジ、より洗練された姿を大径タイヤで支えた姿は「流行りのRV」そのもので、クロカン車道用のバンパーガードやフォグランプをつけたライバルは他社にもありましたが、デリカスターワゴン4WDほど似合う車は全く見当たりません。

もちろん、装備や快適性、操縦性などの面で優秀なライバルはありましたし、最低地上高が高いので、乗用1BOX車として肝心な乗降性は決して褒められたものではなかったものの、悪路走破性によるタフなイメージは、まさに「色の白いは七難隠す」(※)。

(色白の女性は他に多少難があっても、それが目立たないという…昔のことわざなので、怒らないでくださいね~?!)

バブル時代に盛り上がったRVブームの中、パジェロのごとく社会現象とはならなかったもののガッチリ固定客をつかんだのはこの頃であり、しかもバブル崩壊後にサイフのヒモが固くなったところからが、デリカスターワゴンの真骨頂。

「本物」を求めるユーザーにとって、クロカン並の悪路走破性と車内が広々とした1BOXボディを両立したデリカスターワゴンは、その時代で既に「唯一無二」となっていました。

後継のデリカスペースギアが1994年に発売されても、小回りと悪路走破性に有利なショートホイールベースと全長の短いボディが重宝され、旧型ながら1999年に販売を終えるまで併売されたのです。

ただし、現在のデリカミニが持つイメージとは、少々異なるかもしれません。

三菱がまだ軽商用1BOXのミニキャブバンを自社で開発・生産していたら…ミニキャブMiEV後継のBEVとして復活するのなら…SUV版を作り、「デリカスターワゴンミニ」を名乗ったら売れるかもしれませんね。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・兵藤 忠彦/提供元・MOBY

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