AIが偏見を強化する可能性
今回の研究結果はAIモデルの機械学習に使われる美の基準や性別に関する先入観は、固定観念を強化する可能性を浮き彫りにするものとなった。
候補者の中には非白人の民族性を持つ候補者もいたのだが(188人)、これらの候補者は左翼政党を代表している可能性が2.5倍以上高いと予測され、学習の過程でAIに人種的な偏見が与えられた可能性があるということだ。
こうした可能性はたとえば就職の採用選考の決定などにおいても特定の結果につながる可能性があることになる。
「顔写真は一般的に潜在的な雇用主に入手可能であり、雇用の決定に関与する人々はイデオロギーに基づいて差別する意思があることを自己宣言している」と研究者らは書いている。

「したがって一般の人々は自分の写真のどの要素が雇用の機会に影響を与える可能性があるかを認識することで支援される可能性があります」(研究論文より)
ご存じのように「ChatGPT」のような強力なAIツールが世界を席巻している現在、最先端のテクノロジーが特定の層の認識をどのように強化するかについての懸念がさらに広まっている。
3月に発表された別の研究では、AI画像生成装置である「DALL-E 2」が97%の確率で白人男性を「CEO」または「取締役」と結びつける画像を生成したことが判明している。AIによる偏った出力結果は人種的な固定観念を永続化させる可能性があると研究者らは警告している。
今後ますます普及が進むAIが固定観念や偏見を強化する道具にならないよう、我々の側にチェックと修正が求められていることは間違いないのだろう。
参考:「Daily Mail」「Insider」ほか
文=仲田しんじ
提供元・TOCANA
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