肉厚ヒラメのヒットがとまらない
次の流しでようやく釣り座に戻り、オケのイワシを備えてあるザルで掬い、目を覆うようにして軽く握り、親バリを口の中から上アゴの硬い部分へと抜き、孫バリを背ビレの末端へ掛けて投入。オモリが着底したら素早くイトフケを取り、イワシが底上50cm~1mの範囲を泳ぐイメージを持ちながらわずかに底を切る。アタリを待つが音沙汰なし。その間にも船中では次つぎと本命が取り込まれていくので、心中穏やかではない。
次の流しも状況は変わらず、ステイト、ハリス長を調整すると、やっとアタリが出た。1kg超えの肉厚ヒラメでようやく頬が緩んだ。
船長はなおも新たなポイントを探り続け「はい、ここは漁礁の上です」「これから根に差しかかります」などと、底の状態を克明にアナウンスしてくれる。
根があるからとあまり底を切り過ぎるとアタリは訪れない。右隣に座る室岡昭一さん(足利市)は根上をものともせず、小まめに底ダチを取り直し、果敢に攻めている。これが格好な誘いとなったか、4尾目となる大判本命を取り込みカメラへ向けてくれた。
左隣でトモの酒巻孝之さん(鹿島市)は「しばらくヒラメから遠ざかっていたので、タナ取りがうまくいかない」と嘆いていたが、さすがはベテラン。流れを掴むと、次つぎに良型を取り込んでいく。折しもゲットしたグッドサイズを掲げてくれると「やっと調子を取り戻せたよ」とホッとした表情。
ミヨシの小林さんはその後も好調を持続し、10尾の規定数に到達。「充分に堪能した。大満足」と後半は高みの見物へと回る。
ゲスト多彩でお土産確保
やがて11時が近くなり、「この流しで上がります」とのアナウンスで沖上がり。船中の釣果は0.3~4.2kgヒラメ1~10尾でゲストはソイ、ハタ、オニカサゴ、マダコが顔を見せ、誰もがエビス顔で凱旋した。
船長に今後の見通しをたずねると、「今年もヒラメの魚影は濃い、師走からの全エリア解禁も期待十分だよ!」との明るい言葉に、次の釣行を楽しみに帰途に就いた。
<週刊つりニュース関東版APC・大村隆/TSURINEWS編>
桜井丸