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コロナワクチン接種後死亡は、接種後10日以内に多く発生しています。しかし、この事実をもって、ワクチンと死亡とに関連性があると解釈することは適切ではありません。何故ならば、「接種より日が経つほど医師が報告する確率が低下する」という報告バイアスが存在しているからです。
報告バイアスが存在する時であっても使用可能と考えられる解析方法の一つに性比を用いる解析手法があります。接種何日後の死亡であったとしても、死亡者が男性か女性かという情報は、報告するかどうかの判断に通常は影響を与えないと考えられます。
この手法を用いたコロナワクチン接種後死亡の解析は、Yamashita氏らが論文として発表しています。この論文では65歳以上の接種後死亡10日以内の性比と11日以降の性比を比較して、前者が有意に低かったことが報告されています。
今回私は、Yamashita氏らの論文を参考にして、その後に報告された事例を追加して、65歳以上の群と64歳以下の群に分けて、リスク期間(接種後10日以内)とコントロール期間(接種後11日~180日)の性比を比較して、その解析結果を一つの論文にまとめました。
今回の論考は、この論文の簡易版です。詳細を知りたい方は論文の方をご覧ください。
まず、65歳以上の群のグラフです。論文より引用します。
結果は、Yamashita氏らの論文と同様にリスク期間の性比がコントロール期間のそれと比べて有意に低くなりました。リスク期間の性比が低くなった原因は、日本の女性の体重が欧米の女性のそれより軽いために副反応が強くなりやすいこと、ワクチンの副反応は女性の方が男性より強くでる傾向があることと考えられます。