今見ると平凡なデザインながら、高い実用性が評価される
斬新な2BOXスタイルとはいえ、クサビ型のウェッジ・シェイプまでは採用できず、車体表面のフラッシュサーフェス化(平滑化)も限定的な「1970年代スタイル」であり、リアデフがあるFR車ゆえにラゲッジ床面を深く取ることもできません。
しかし、明るいカラーも準備された内装や、後席を倒せば広いラゲッジルームが現れる高い実用性といった、古臭い3代目から激変したパッケージは国内はもちろん、特にヨーロッパで高く評価されて輸出は好調に回復。
当初1.3リッター、後に1.4リッター化されたSOHC直4エンジンは平凡で、同じFRハッチバックでもトヨタのKP61スターレットのようにスポーティな使われ方はせず(後にロータリーエンジンのスワップチューンは流行った)、ライトバンともども実用車に徹します。
しかし1970年代後半、まだまだ厳しい排ガス規制でスポーツエンジンでも高性能を発揮しにくく、ガソリン価格も高止まりで経済性や実用性が重要視された時代に、4代目ファミリアはよくマッチしていました。
構造やデザイン、販売実績という面で次の5代目ほど画期的、革命的という印象はなく、初期型の電気カミソリのようなフロントグリルに丸目ヘッドライトというデザインもやや古くバタ臭いものだったとはいえ、スマッシュヒットと呼べるほどの成功は収めたのです。
コスモやRX-7で企業イメージを、4代目ファミリアで販売面でも復調の足がかりを作り、1980年発売の5代目ファミリアが爆発的にヒットしたマツダは完全に経営危機を脱しますが、その中で地味ながらもっとも重要な役割を果たしたのが、4代目ファミリアでしょう。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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