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PHEVとはプラグインハイブリッドカーの略
【国産】おすすめのPHEV人気順
PHEVとはプラグインハイブリッドカーの略

エンジンに加えて大容量バッテリーと高出力モーターも搭載しているPHEVは、ハイブリッドカーと電気自動車との中間的な位置づけの車といえるでしょう。
PHEVとは「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略称で「プラグインハイブリッドカー」とも呼ばれます。外部給電プラグが備わることでバッテリーを充電可能な点がPHEVのもっとも大きな特徴です。
日本国内では、2011年11月にセダンの初代トヨタ プリウス PHVが登場。続いて2012年12月にSUVの初代三菱 アウトランダーPHEVの登場し、今や国内外の多くの自動車メーカーがPHEVを生産しています。
PHVとHV(ハイブリッド)の違い
「HEV」とも呼ばれるハイブリッドカー(HV)の基本構造はPHEVと同じです。ただしHVには外部給電用のプラグインソケットが備わりません。
また、PHEVと比べてバッテリー容量が少ないうえ駆動モーターの出力も総じて低く、モーターでの駆動ができる車種であってもEV走行可能距離は数km程度です。HVのモーターはあくまでエンジンの補助としての機能にとどまります。
それに対してPHEVはエンジンよりもエネルギー変換効率が高いモーターを主体として走行できるため、モーターのみでの走行時はエンジンの稼働音がせず、同じ車種であっても総合的な燃費性能に優れる傾向にあります。
PHEVとEV(電気自動車)の違い
「Battery(バッテリー)」のみを動力源とすることから「BEV」とも呼ばれる電気自動車(EV)は、PHEVからエンジンを取り去り、より大容量のバッテリーを搭載した車といえるでしょう。
内燃機関が備わらないため、走行時に一切の二酸化炭素や有害物資を排出せず、燃料代はより安価な電気代でまかなえます。また、かさばるエンジンがないことで車体の設計自由度が高くスペース効率にも優れています。
ただし、EVは駆動や車内電力をすべてバッテリー電力のみに頼らざるを得ないため、電欠を起こすと走行不能に陥ってしまう欠点があります。また、EVにはPHEVの数倍もの大きなバッテリーが備わるため満充電とするにはより長い時間が必要です。
【国産】おすすめのPHEV人気順
トヨタ プリウス PHEV

実用セダンとは思えないほどアグレッシブなデザインに変わった5代目プリウスのPHEVモデルは、2023年3月に発売予定です。
パワートレインは2.0Lエンジンに163psのモーターを組み合わせ、システム出力は先代の122psから223psまで向上。EV走行可能距離は先代の68.2kmから1.5倍の向上を目標に開発されており、新型では満充電で100km近い距離が走行可能になると見込まれます
また、オプションでルーフに追加できる第2世代ソーラー充電システムは、年間あたり1,250km相当ぶんにまで発電能力が高められるとのことです。同じ2.0Lエンジンを搭載した新型プリウスの価格は320万〜392万円であり、PHEVモデルの価格はさらに100万円ほど上乗せされることになるでしょう。
スペック
- 車両本体価格:未定
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,600mm × 1,780mm × 1,430mm
- WLTCモード燃費:未定
- EV走行可能距離:未定
トヨタ RAV4 PHV

2020年6月に5代目RAV4に追加されたPHEVモデルは発売直後から受注が殺到し、すぐに受注停止となった過去がありましたが、現在は受注が再開されています。
RAV4 PHVは2.5Lエンジンに前後2つのモーターが追加され、システム出力はRAV4のグレードラインナップ中で最高性能となる306psを発揮します。
RAV4 PHVは急速充電には非対応となっており、エンジンを用いた走行を主体としたハイパフォーマンス電動SUVといった性格が与えられています。
スペック
- 車両本体価格:553万円
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,600mm × 1,855mm × 1,695mm
- WLTCモード燃費:22.2km/L
- EV走行可能距離:95km
三菱 アウトランダーPHEV

SUV型PHEVの先駆けともいえるアウトランダーPHEVは、2021年12月に3代目へとフルモデルチェンジしました。それにともない、3代目アウトランダーはPHEVモデルのみのラインナップとなっています。
燃費優先のエコモードのほか、マッドやスノーなど全7種のドライブモードを切り替えることで2.4Lエンジンと前後2つのモーターの駆動力を状況に応じて最適に分配し、高い悪路走破性能を発揮できるのがアウトランダーPHEVの強みです。
ライバルであるRAV4とは異なり急速充電に対応しているため、よりEVに近い使い方が適しているのはアウトランダーPHEVの方でしょう。
スペック
- 車両本体価格:484万〜571万円
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,710mm × 1,860mm × 1,745mm
- WLTCモード燃費:16.2〜16.6km/L
- EV走行可能距離:83〜87km
マツダ CX-60 PHEV

欧州プレミアムSUVを仮想敵として開発されたCX-60のPHEVモデルは、2022年12月に発売されました。2.5Lエンジンに組み合わされるモーターは新開発のトルコンレス8速ATに内蔵される1基のみであり、4WDシステムはプロペラシャフトを介する従来の方式として後輪駆動ベースの自然な操舵感を維持しています。
リアサスペンションアームの保持には、レーシングカーなどで用いられるピロボールの採用。それにより滑らかな路面追従性を獲得しており、PHEVとしてのスペックはライバルに一歩劣るものの、オンロードSUVとしての上質感は非常に優れたものとなっています。
スペック
- 車両本体価格:530万〜626万円
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,740mm × 1,890mm × 1,685mm
- WLTCモード燃費:14.6km/L
- EV走行可能距離:75km
レクサス RX 450h+

2022年11月18日に発売された5代目RXには、PHEVモデルのRX450h+がラインナップされています。
プラグインハイブリッドシステムはトヨタ RAV4と共通ながら、エンジンに改良が加えられシステム出力は309psに引き上げられており、電動車用の新型4WDシステム「ダイレクト4」の採用によって、高い駆動力を最適にコントロールしてくれます。
車重が重いためPHEVとしての性能はトヨタ RAV4に劣るものの、クーペのようなスタイリングやエレガントな内装の仕立てに加え、静粛性にも優れるPHEVの組み合わせは、高級SUVらしさを強調するものです。
スペック
- 車両本体価格:871万円
- ボディサイズ(全長×全幅×全高):4,890mm × 1,920mm × 1,700mm
- WLTCモード燃費:18.1km/L
- EV走行可能距離:86km