V12ドリフトセンチュリーの思い出
外観が超キープコンセプトでしたし、内装はどうせ乗るわけでもないし…というわけで、話題が集まったのは必然的に「国産の量産乗用車では初のV12エンジン」でした。
5リッターV型12気筒DOHCエンジン「1GZ-FE」は、大排気量ながらも最高出力は当時の自主規制値である280馬力止まり、最大トルクこそ49.0kgf・m/4,000rpm(後に46.9kgf・m)でしたが、特筆すべきスペックの持ち主というわけではありません。
後にこの1GZ-FEをスワップチューンした80スープラやポルシェ928が現れたものの、センチュリーに載っている分には「ひたすら静かで振動もなく、存在感を表して出しゃばらずに粛々と役割を果たすエンジン」でありました。
ただ、筆者の場合は特別な思い出があり…というのも、維持費の問題から新車に比べれば非常に安価な中古車を仕入れた若いチューナーが、2代目センチュリーで仕立てたドリ車を目にしていたのです。
初期型のフロアシフト4速AT車(2005年以降の後期型は6速AT)で、内装は剥がしたドンガラにフルバケの左右シートが載り、リアデフを直結にして車高を落とした以外はどノーマルなんだとか。
そんなんで何とかなるんかいな…と思っていた私の目の前で、シューンと高回転まで吹け上がったV12サウンドを響かせながらセンチュリーはRのきついコーナーへ…おおっ、飛距離こそ出ないものの、大トルクで強引に横を向かせる見事なパワードリフト!!
それっきりでイベントなんかに出ている姿は見ませんでしたが、何しろ黒塗りのセンチュリーそのまんまで横っ飛びしてましたから、大迫力でした。
しずしずと走る超高級サルーンや、宮内庁に納入された超大型版のセンチュリーロイヤルというのが「あるべき姿」なのでしょうが、筆者にとっての2代目センチュリーは、「ドリフトセンチュリー」の鮮烈な記憶が一生残りそうです。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて