私たち日本人が毎日使っている日本語。日本語にはひらがなとカタカナ、そして漢字が使われており、たとえばアルファベット26文字だけで文章が成り立つ英語などと比較すると、非常に難解な言語であると言われている。
とくに日本語をややこしくしているのが、漢字の存在だ。漢字は一目見ればその意味がわかり、短い語数で複雑な意味やニュアンスを伝えることができる便利な存在でもあるが、逆に、意味を持ちすぎているからこそのややこしさも生じてしまう。それが二重表現である。
今回はけんたろ@kenlife202010さんがポストして話題となっている「実は二重表現なNG日本語」について解説していこう。
なんだかムズムズ……!! 二重表現とは!?
まず、けんたろ@kenlife202010さんのポストを紹介する前に、二重表現という概念について確認しておこう。
二重表現は、一つの言葉のなかで同じ意味の語彙が繰り返し使われている表現のこと。乳汁表現という言い方以外にも、重複表現という呼び方もある。二重表現は、無意識的に使っていることが多く、とくに話し言葉でよく聞かれるのだが、あらめて文章に書き起こしてみると、その違和感にむずがゆくなってしまう。日本語としては正しくない表現なのだ。
二重表現の代表例「頭痛が痛い」の違和感
とくに、二重表現の代表的な例としてよく取り上げられるのが、けんたろ@kenlife202010さんのポストでも紹介されている「頭痛が痛い」だ。同じく「腹痛が痛い」「生理痛が痛い」といった表現も、二重表現に該当するのだが、どこに違和感がある表現なのか、おわかりいただけるだろうか。
「頭痛」という言葉は、読んで字のごとく「頭が痛むこと」を意味する単語である。この「頭が痛む」という表現に、さらに「痛い」という言葉がくっついてしまうと「頭が痛むことが痛い」という訳のわからない日本語が生まれてしまうのだ。「腹痛が痛い」も「おなかが痛むことが痛い」、「生理痛が痛い」も「生理にともった痛みが痛い」というように、「痛い」という意味が一つの表現のなかで繰り返し使われていることこそが、二重表現なのである。