南部のチャンパサック県にある「wat phou Complex(ワット・プー遺跡群)」は、2001年にラオスで2番目にユネスコの世界遺産登録された場所です。
1000年以上前に、クメール族によって作られた石造りの宮殿や寺院が、敷地内に点在していて、カンボジアのアンコールワットよりも古くに作られたと言われています。

遺跡の魅力

寺院といっても、ここにあるのは、ラオスでよく見られる仏教寺院ではありません。入り口から続く子孫繁栄を願うモチーフ「リンガ」が並ぶ参道や聖池「バライ」、そして建物の彫刻には、シヴァの神をはじめとするヒンドゥー教の神様が刻まれた宮殿や本堂のあるヒンドゥー教の寺院です。
海外の支援により建物の修復が行われていますが、風化したり、木々の根が張り出していたりして、崩壊している部分も多くあり、そういったところがまた、趣ある雰囲気を作り出しています。

敷地が非常に広く、全てを見て回るには2時間はかかるので、ゆっくり時間を取って訪れてください。特に本堂に施された神々の彫刻が、非常に緻密で、暫し古きクメール王朝時代へと誘われます。
また、本堂のある場所までは、石造りの参道・階段が続いているため、足元が悪く、山の中腹まで登るため、少々体力が必要です。

しかし、本堂まで辿り着くと、そこからのワット・プーを見下ろす景色はとても美しく、疲れも吹っ飛びます。
雨季の時期には緑が豊かな風景、乾季の4月頃は非常に暑いですが、プルメリアの花が満開に咲く素晴らしい風景が見られます。
1年に一度のお祭り
毎年2月(旧暦の3月)の満月に行われる「ワット・プー祭り」は、宮殿や寺院がキャンドルの光に包まれ、幻想的な雰囲気に包まれる特別な日。このお祭りの最終日には、全国から集まった僧侶たちへ托鉢の行事も行われるので、この時期に旅行するなら、ぜひ参加していただきたいお祭りです。