サランドンは1日、自身のSNSのアカウントを更新し、演説はユダヤ系アメリカ人に対するヘイトクライムの増加を懸念したものだったと説明。「ひどい過ちであり、最近までユダヤ人が迫害とは無関係だということを示唆するものだった」と非を認めた。

ヨーロッパでのユダヤ人の大量虐殺や、2018年にピッツバーグで起きたシナゴーグ「Tree of Life」での銃撃事件を挙げ、「彼らは今日に至るまで差別や宗教的な暴力にさらされてきた」と加えた。「これらの現実を軽んじたことを、深く後悔している」と反省の弁を述べたうえで、「平和や真実、正義、全ての人々への思いやりに対するコミットメントを継続する。意見の相違があっても、対話を厭わず、愛を持って対面できることを願っている」と締め括った。

なおサランドン氏は集会での発言以外にも、極右派とされるアカウントがXで投稿した反ユダヤ主義的な偽情報をシェアするなどし、非難を浴びている。

ヘイトクライムが急増

ニューヨーク市では、ハマス・イスラエル紛争の勃発後、イスラム教徒とユダヤ教徒に対するヘイトクライムが急増している。老舗ユダヤ系デリの壁にかぎ十字の落書きが描かれたり、パレスチナのスカーフを巻いた男性が反イスラム的な暴言を浴びせられ、コーヒーを投げつけられたりする事件も起きた。

同市では、10月のヘイトクライム全体の発生件数は、前年同月比で124%増加した。このうち、ユダヤ教徒に対する犯罪は69件で214%増加(昨年同時期は22件)、イスラム教徒への犯罪は8件(昨年は0件)報告されている。