町田ゼルビアの初優勝で幕を閉じた2023明治安田生命J2リーグ。町田は昨2022シーズン15位と低迷したが、監督含めコーチ陣も刷新し多くの新戦力を迎えて悲願のJ1昇格を手にしている。低迷から1年で栄光を掴んだチームがある一方で、這い上がることができずJ3へ降格となったクラブもある。
昨季は最終順位19位で、なんとかJ2残留を果たした大宮アルディージャ。今季こそはと意気込んで挑んだにも関わらず、シーズン途中での監督交代や4月半ばからの15戦未勝利など振るわず、ついには21位でJ3降格を味わう結果となってしまった。
かつてはJ1も経験したクラブなだけに、来季まずは1年でのJ2復帰が求められる。そのためにも、クラブがすべきことは戦力の維持だろう。当然、すべての選手が重要な戦力であることに変わりはないが、ここでは今季活躍した選手の中から、特に流出を阻止したい選手を5名ランキング形式で紹介していく。なお、期限付き移籍中の選手および2種登録選手については対象外とする。
5位:袴田裕太郎
今季の大宮は失点数でリーグワースト2位の71失点となったが、それでも中央や左サイドで守備陣の核を担ったDF袴田裕太郎の貢献度は高かったと言えよう。持ち前の高さと強さを武器に、特に攻撃ではセットプレーやその流れの中でターゲットとして存在感を発揮。打点の高いヘッドでのアシストやゴールを演出してきた。特にシーズン終盤の第39節、藤枝MYFC戦(3-2)で魅せた終了間際の連続2ゴールが印象的だ。結果J2残留は果たせなかったものの、チームを勇気づける逆転劇の立役者となっている。
活躍度合いで見れば、守護神GK笠原昂史やチームトップタイのゴールを挙げたFW富山貴光、左サイドのジョーカーMF泉澤仁らベテラン勢の存在も忘れてはならない。しかし、守備はもちろん攻撃でも怖さを出せる能力とゴールに多く関わった活躍を考慮して、手放せない選手5位とした。
4位:小島幹敏
水戸ホーリーホックへの期限付き移籍でチームを離れたこともあったが、下部組織から大宮育ちのMF小島幹敏も手放せない選手の1人だ。中盤下がりめの位置から積極的に前線にも絡み、攻撃に厚みを持たせる働きを果たしていた。また、ボール奪取からの展開力もチームにとって欠かせない能力の1つ。今季4アシストはチームトップタイの数字となっており、得点力不足にあえぐチームの大きな助けになっていたことは間違いない。
今季途中からチームを率いた原崎政人監督の退任が決定している大宮。来季J3を戦う指揮官はまだ発表されていないが、文字通り中央でゲームをコントロールする小島の去就はチーム作りにも大きく影響する要素となるだろう。攻守に渡って果たせる役割の多さとクラブがここまで育ててきた貴重な存在でもあることから、手放せない選手4位とした。