2人乗りカヤックのデメリット
ここからは2人乗りカヤックの欠点について触れていきます。
2人乗りカヤックの方が重い
1人乗りカヤックと2人乗りカヤックをくらべると、どうしても2人乗りの方が重くなってしまいます。カヤックの重さは、水に浮かべてしまえばそれほど気にならないものです。しかし、陸上での移動や車載などにおいて、やはり軽いに越したことはありません。
積載量が減る
上記データのように、1人乗りから2人乗りになっても長さが倍になるわけではありません。2人乗りカヤックは、どうしても乗員のスペースの分だけ船上が狭くなり、積んでいける荷物が少なくなる傾向があります。大型青物が入るような、大きなクーラーボックスを積んでいくのは難しいと考えておきましょう。
自由度が減る
1人乗り(=1人釣行)である何よりのメリットは、自由であることでしょう。「自由」という言葉にはいろいろな意味がありますが、ここで言う「自由」とは、他人に合わせる必要がないという意味です。
どこに釣りに行って、どんな魚を釣るかは自由。何時に出艇して、何時に釣りをやめるかも自由。朝起きて気が乗らなければ、釣りに行くこと自体をやめることすらできます。2人釣行でそんなことをすると、ワガママなヤツと思われてしまいますよね。
時には我慢や妥協が必要
自由に行動できる1人乗りカヤックに対して、2人乗りカヤックはせまいスペースの船上で、2人きりで長い時間をすごすわけですから、時には我慢や妥協を強いられることもあります。
なかでも意外と大きな問題が「トイレ」。自分1人であれば、まぁ……海上でもどうにかなるのですが、すぐそばにパートナーがいる2人乗りでは気をつかいますよね。また、各人の体力や釣りに対する熱量のちがいによって、午前中で終わるか、夕マズメまで釣りをするかなどで意見が分かれることも。
安全面では、キャスト時にパートナーにフックを引っかける事故が起きないように十分注意する必要があります。
2人乗りカヤックのメリット
このように見てみると、2人乗りカヤックのデメリットばかりが目立つようですが、2人乗りならではのメリットもたくさんあります。
2人で協力しあえる
2人乗りカヤックは、単純に考えれば体力と動力が倍になるので、機動力が高くなります。大人2人が協力して全力で漕ぐと、なかなかのスピードが出ます。
どちらか1人が体調不良になったり、疲れきってしまったりしても帰還できることもメリット。万が一転覆した際も、救助しあえることはもちろん、2人でいる安心感からパニックになりづらくなります。
また、カヤックの準備・片付け・車載・移動などが楽になる点も良いところです。出艇場所までカヤックを引いて移動する際、1人では断念するような斜面や階段も、2人で協力すれば乗り越えることができるでしょう。
2人で思い出を共有できる
カヤックフィッシング中に起きた様々な出来事を共有できることも、2人乗りカヤックの大きな魅力。大きな魚を釣った喜びも、サメを見かけて怖かったことも、ほぼ同じ視点から見た思い出として共有できます。
1人乗りカヤック複数でカヤックフィッシングに行っても、次第に離れていき、結局バラバラに散ってしまうことになりがちです。「共有できること」は2人乗りカヤックならではのメリットといえます。
また、初心者に釣りのテクニックなどを教える際は、2人乗りの方が声がよく届き、パートナーの動作を把握しやすいため、アドバイスしやすいですね。