新フォーメーションがフィット

今節ではゲームを支配できていたコベントリー。中盤でボールを奪い両サイドから突破するサイド攻撃を中心に、DFラインから縦パスを供給して攻撃スイッチを入れる動きが見られるなど、しっかりとボールを繋ぐサッカーができていた。

しかし、得点できぬまま坂元は64分に途中交代。チームはその後75分にアメリカ代表FWハジ・ライトがクロスに合わせてゴールを揺らし先制点を決めた。終盤、プリマスからの猛攻を受けたものの、なんとか1点を守り切ったコベントリー。2連勝の要因について坂元はフォーメーションの変化が大きいと感じているようだ。

ー[4-3-3]の右ウィングでプレーしてみてどうですか?

坂元:これまで勝ててなくて、途中から[4-3-3]に変えて内容も良かった。僕の本来のポジションは右ウイングだったり[4-4-2]の右なので、今日も楽しみながらできました。

勝ててない中で僕は右ウイングバックでなかなか守備で貢献できない、守備を頑張りすぎてなかなか前でも使えないという試合が多かったので、いまはやりやすくできています。(これまで)苦しい中で流れを変えたいと思っていましたし、それで2試合スタメンで出れてなんとか結果も残して、チームとしても流れを良くできたと思います。


コベントリー・シティ サポーター 写真:Getty Images

地元サポーターがスタンディングオーベーション!

今節のポゼッション率は48.1%で五分五分の試合展開となったが、勝てていなかった直近6試合の保持率は約60%と意外にも高かった。逆に言えばボールを“持たされている”という見方もでき[4-3-3]に変更してからは効率的に展開できているようだ。

昨2022/23シーズンでは堅守速攻のカウンターが主体だったコベントリーが坂元を獲得した理由は、攻撃面を改善したい意図があったからだが、ここまで坂元を生かしきれていなかったとも言える。しかし、ここにきて[4-3-3]を採用したことは、チームにとっても坂元にとっても最適解を見つけ出したと言えるのではないだろうか。

早い交代となった坂元だが、キレのあるプレーを連発した日本人MFを地元サポーターは高く評価。交代の際には2万人超えの観客がスタンディングオーベーションで健闘を称え、スタジアムには坂元のチャントが響き渡った。

「When you score, you make the city sing, Saka on the wing, Sakamoto on the wing. Every time you’re on the ball we know, there’s gonna be a goal, our superstar from Tokyo.(お前がゴールを決めると街が歌う、ウイングにサカ、ウイングにサカモト、お前がボールを持つ時はいつもゴールがある、東京からの我らのスーパースター)」※サカはウイングの最高峰と称されるFWブカヨ・サカ(アーセナル)を指すものと思われる。

コベントリーは今節終了時点で暫定15位に浮上。2023/24シーズンも中盤に突入し、右ウイングで躍動する坂元の活躍に期待したい。