英2部チャンピオンシップ第18節が日本時間11月29日に行われ、MF坂元達裕が所属するコベントリー・シティはホームでプリマス・アーガイルと対戦した。第11節から6戦勝ちなしで順位を20位にまで落としていたコベントリーは、前第17節のミルウォール・タウン戦で3-0と久し振りの快勝。この試合で坂元は移籍後初ゴールを決めている。
今2023/24シーズンにEFLリーグ1(英3部相当)から昇格したプリマスを相手に勝ち点3を奪いたいコベントリー。立ち上がりから積極的にボールを保持しサイド攻撃を中心に相手ゴールに迫る。後半75分に先制すると虎の子の1点を守り切り2連勝を飾った。
この記事では、コベントリーが行った戦術の変更について坂元へのインタビューを交え分析していく。
自信溢れる立ち上がり
現地では平日19時45分のキックオフだったこの日。週末に比べると空席は見られるが、それでも2部リーグのチームが2万2790人もの観客を動員できるのはサッカーの母国ならではだろう。
コベントリーを指揮するマーク・ロビンズ監督はシーズンはじめから一貫して[3-4-1-2]のフォーメーションを好んで使ってきた。坂元にはトップ下やウイングハーフのポジションが与えられ、2トップへのアシストを期待されていたが守備の負担が大きく、彼の持ち味を必ずしも出せているとは言えなかった。
監督が動いたのは4連敗で迎えた第16節。11月11日のストーク・シティ戦で初めて[4-3-3]を採用した。坂元は先発しなかったものの、ここで手応えを覚えたチームは11月25日のミルウォール戦で坂元を右ウイングにスタメン起用。ポゼッション率は37.6%と低かったが連携面が改善され、2トップにひたすらクロスを上げるサッカースタイルから脱却し、ボールを繋いで相手を崩す戦術へと変化した。
そして今節、2試合連続でスタメン出場した坂元の立ち上がりはこれまでと違った。中2日の疲れも見せず、右ウイングの位置から積極的にプレスに行く。ボールを奪うと即座に前線に縦パスを供給し、決定機を演出。シーズン序盤は守備面で後手に回り、1対1のデュエルでも力負けする場面が見られたが、この日の坂元はボール奪取力が向上したようにみえた。また、以前は攻撃面でもバックパスを多用してしまいロビンズ監督から不満の声が漏れていたが、この日は積極的に突破を仕掛け自信をもってプレーしているのがスタンドからも見て取れた。
ー前節に待望の初ゴール。これが自信になりましたか?
坂元:そうですね、僕はゴール取れてなかったんで。ベルギーの時はウイングバックで1点も取れてなかったんで、僕自身ゴールはすごく欲しかったです。(今節は)右ウイングという形で出て、結果残さないと次はないという気持ちで臨んだんで、そこ(前節のゴール)はすごく大きな自信になりましたね。
(コベントリーは)シンプルに中盤がうまいですし、ボールを繋げる選手もいる。僕は基本、外に張っとけと言われているので、外に出して1対1を仕掛けるというのはひとつの形としてできていると思います。