11月12日に第42節を終え、2023シーズンの全日程が終了した明治安田生命J2リーグ。1位の町田ゼルビアと2位ジュビロ磐田がJ1へと自動昇格した。11月25日~26日には残る1つの昇格枠を争うプレーオフ準決勝が行われ、3位東京ヴェルディ、4位清水エスパルス、5位モンテディオ山形、6位ジェフユナイテッド市原・千葉の4クラブがしのぎを削った。準決勝を突破し決勝に進んだのは東京Vと清水。両者は12月2日、国立競技場で対戦する。
ここでは、J1昇格プレーオフ決勝に挑む両クラブの現状とそれぞれの攻守キーマン、今季戦績を振り返る。
東京ヴェルディ(J2最終順位:3位)
16年ぶりのJ1なるか
ジェフユナイテッド市原・千葉との昇格プレーオフ準決勝を2-1で制し、決勝進出を決めた東京ヴェルディ。決して圧倒的な試合展開ではなかったものの、限られたチャンスを得点に繋げ前半で2点リード。後半はGKマテウスのビッグセーブや選手全員の身体を張った守備で、最少失点に抑え切った。
J1昇格が懸かる決勝戦で守備のキーマンとなるのは、やはりマテウスだろう。今季リーグ戦全試合フルタイム出場を達成した絶対的守護神は、190cmの体格と抜群の反応速度でゴールマウスにがっちりと鍵をかける。準決勝でも前半18分に訪れた相手FW呉屋大翔との1対1を間合いを詰めて防ぎ、流れを渡さなかった。
一方、攻撃のキーマンはMF中原輝ではなかろうか。夏の移籍市場でセレッソ大阪から期限付きで加入したレフティーは、右サイドに陣取り加入後16試合に出場し5得点を記録。自動昇格こそ逃したものの、チームを3位でのプレーオフ進出に導いたといってもいいだろう。準決勝でも前半34分に密集地帯で左足を振りぬくと先制点を奪った。169cmと小柄ながら、強烈なミドルシュートや上半身の細かなフェイントを活かしたドリブル、高いキック精度と試合を決められる能力を持っている。
チームは9月2日の第33節ツエーゲン金沢戦からJ1昇格プレーオフ準決勝まで公式戦11戦無敗と勢いに乗っており、選手たちからは自信が感じられる。国立競技場で開催される決勝は、東京Vにとってホーム同然。引き分け以上で16年ぶりのJ1復帰となることから、城福浩監督の雄叫びと渾身のガッツポーズが見られた時、スタジアム全体に歓喜が響き渡ることだろう。