課題はカーラとオケケの活かし方?

ところが試合後半、仙台は前半と同じメンバーのまま挑むも、東京Vの勢いが上がりボールをコントロールされることが多くなる。66分にその流れを変えるためFW遠藤とFW原が、それぞれFWカーラと本来はDFのジャマイカ出身オケケ・チディンマ・ンケルカと交代となった。

今シーズン初戦から連続先発起用されていたカーラは、持ち前のパワーと隙を見つけてチャンスを作り出す良さがある。オケケは身長173cmという高さを活かした攻守の動きで、相手の攻撃を防ぎプレッシャーも与えられる万能選手だ。

しかし2名の選手投入後、相手のワンタッチ攻撃やスピードに追い付けない場面が多く、また他選手たちのスタミナ切れの雰囲気も否めない状況であった。後半開始から相手リードのまま進み、結果0-5で東京Vの勝利となった。

須藤監督は試合後インタビューで、後半投入のオケケについて「彼女の持っている高さを前線で生かしたかった」とコメント。本来DFのオケケをFWとした時に、能力をどのように引き出すのかが非常に難しい点ではあるだろう。

カーラ、オケケら新加入の選手たちと、昨シーズンから所属しているメンバーとの組み合わせを今後も模索し、爆発的な開花点を探すこと。それぞれを活かすことにより、第4節前半の内容を継続できるようスタミナもカバーすることで、可能性が開くのではないだろうか。


マイナビ仙台レディース FW廣澤真穂 写真:WEリーグ

悔しさから見えたヒントで未来の勝利へ

第4節はホーム戦だったこともあり仙台にとってこの結果は苦いものとなったが、一方で選手たちの新しい動きや能力を知ることができたことは、周囲のファンやサポーターたちにも今後の期待を与えられた。

筆者の主観では、特にMF西野、佐々木、中島と、FWに入る選手たちとの組み合わせに、仙台の飛躍するチャンスが潜んでいると考える。例えば第4節で見せてくれたFW廣澤の伸び伸びとした広範囲の攻めの動きは、廣澤を活かせるMF3名との抜群のコンビネーションがあったからと感じた。

2023/24シーズン冬季休暇まで残り3試合(第7節まで)が残されているが、今後の仙台のチーム編成にはますます注目していきたい。

今後のマイナビ仙台レディース試合スケジュール

  • 第5節:12月9日(土)13:00 (ホーム)対大宮アルディージャVENTUS
  • 第6節:12月23日(土)14:00 (アウェイ)対ノジマステラ神奈川相模原
  • 第7節:1月7日(日)13:00(アウェイ)対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース