藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)
今夏ベルギーリーグのシント=トロイデンへ移籍し、初の海外挑戦を果たしたMF藤田譲瑠チマ。U-22代表では中盤の舵取り役として不動の地位を確立してきた。A代表でもすでにデビューを飾っており、昨2022年の7月に開催されたEAFF E-1サッカー選手権で香港戦と韓国戦の2試合に出場。日本の優勝にも一役買っている。
ピッチ上のいたるところに顔を出す運動量とポジショニングの良さに加え、ゲームメイクにも長けており、長短のパスで的確にチームをコントロールすることが可能な藤田。直近のアルゼンチン戦においても、この能力が随所に見られた。さらに、チーム5点目となったFW福田師王(ボルシアMGⅡ)への絶妙なロングパスでのアシストなど、90分で見事に自身を表現してみせた。
すでにA代表デビューを果たしていることから、GK鈴木彩艶やFW細谷真大よりも一歩先を行っているとの見方もできる。しかし、前回招集されたE-1選手権は国内組メインの選出となっており、いわゆる海外組を含めたメンバー選考からは漏れ続けている。アンダー世代同士とはいえ、強豪国を相手に持ち味を存分に披露してアピールできた今こそ、再びA代表メンバーに名を連ねてほしいものだ。
松木玖生(FC東京)
昨2022シーズンは高卒ルーキーながらも開幕スタメンを勝ち取り、今季も主力としてFC東京を支えるMF松木玖生。今年行われたU-20ワールドカップではキャプテンとしてチームを牽引し、パリ世代の代表活動でも攻守において大きな存在感を放っている。11月1日にはAFC年間最優秀ユース選手賞も受賞しており、名実ともにアジアを代表する若き至宝だ。
強靭なフィジカルや精度の高いキックはプロになってなお輝きを放っており、海外組も複数いるパリ世代の中でも全く見劣りしない。また、今夏には海外移籍が噂されるなどこの冬の動向が注目される選手の1人でもある。10月に行われた北米遠征の2試合(メキシコ戦、アメリカ戦)に続き、今月のアルゼンチン戦でも先発出場を果たした松木。今回先発を外れたMF山本理仁(シント=トロイデン)やMF川﨑颯太(京都サンガ)など、招集外のメンバーも含めてパリ世代の中でさえ中盤の序列争いは熾烈だ。
しかし、高い能力に加え年齢も考慮すれば、海外クラブやA代表で活躍する姿を早く見たいと感じるファンが多くても不思議はない。次世代を代表する選手としてA代表のピッチに立つ日はいつになるのか注目だ。