味覚に正しいも間違いもない
添加物の使用をめぐっては、今月開催された『デザインフェスタ』に出店した焼き菓子店「Honey×Honey xoxo(ハニーハニーキス)」が販売していたマフィンを食べた客が相次いで体調不良を訴えている問題で、同店が防腐剤と添加物の不使用などを謳っていたことがきっかけとなり、「添加物の不使用」をめぐりちょっとした議論がわいた件も記憶に新しい。
<食品添加物は「積極的に使え」とは言わないけど衛生的観点から「適切に使ったほうが下手な無添加食品より安全」という認識は広がった方が良いと思う 無添加だから安全、オーガニックだから安全は幻想です>(人気料理研究家・リュウジ氏/SNS・X(旧Twitter)上への投稿より)
<これまで人間たちが積み上げてきた知見とか知識、知恵が、ヤバいやつらに全部台なしにされてるっていうのが、マジで怒りを覚える。なんのために保存料があるんだと。スイーツって砂糖をたくさん入れることで日持ちがしたりするんで、それを半分にするとか、アホか。食品添加物に対する怖がり方がハンパない>(実業家の堀江貴文氏/YouTubeチャンネル上での発言より)
<『食品添加物を使わないことが安心なんだ』みたいに。逆じゃん。子どもがこのマフィン食って食中毒になったら、ヘタすりゃ死ぬよ>(同)
また、少し前には料理研究家や飲食店が「味の素」を使用することに一部で批判があることをめぐって、さまざまな声が寄せられたこともあった。
和食店店主はいう。
「なぜか味の素や白だしを使っていることが知られると口コミの評価が下がることもあるみたいなので、ウチでは使っていませんが、そういう便利なものを使うことに否定的な風潮があることが理解できない。『味覚が狂う』『味をごましている』などと言われるが、味覚に正しいも間違いもないし、そもそも『味覚が狂う』という状態を科学的に説明することはできない。また、高級フレンチ店で肉や魚に味の濃いソースをかけるのは『味をごまかしている』うちに入るのか。高級中華レストランで使われるオイスターソースや高級フレンチ店のバルサミコ酢に、まったく添加物や調味料が使われていないのかという話にもなる」
別の飲食店店主はいう。
「なぜ醤油や塩、ウスターソースやケチャップは使っても良くて、味の素や白だしは使ってはいけないのか、誰も説明できない。『工業的だからダメ』ともいわれるが、スーパーで売られている食品の大半が工場で製造された『工業的な食品』だが、工業的につくられるがゆえに衛生的で低価格な食品が広く流通することにつながる。
食品添加物が体に悪いという話は少し前によくいわれたが、国が安全性を認めたものであり、食中毒リスクの上昇など添加物を使用しないことによるリスクのほうが高い。添加物は害というのはもう古い話で、今では適切に使用するなら問題ないというか、むしろ食の安全に資するという考えのほうが主流では」
白だしを使うも使わないのも個人の判断次第だが、過度に使用に拒否反応を示す必要があるのかどうかは考えるべきかもしれない。
(文=Business Journal編集部、協力=西島基弘/実践女子大学名誉教授)
提供元・Business Journal
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