保身という点ではビックモーターの社長も酷かったです。会見がまるで「他人事」で「そんな話も聞いている」「そんなひどいことが起きているなんて驚きだ」という趣旨のことを述べるに至り、この人は本当にこの会社を率いてきたのだろうか、という疑問以外の何物でもない印象を与えてしまいました。

日大問題についてはユニークです。東芝の話と同じで前段と後段の長いストーリーがある中で日大を改革させるという強い意思を持つ人材を探す学校経営側と校友で有名人である林真理子氏が「わたし、やりたーい!」だったのです。就任の際、普通「(理事長職が)面白そう」とは言わないでしょう。そして就任してみたら面白いどころか、「飛んで火にいる夏の虫」で大麻問題の記者会見の際の林氏のあの不細工なふくれっ面は単なるおばさんのヒステリーと言わずしてなんといえましょうか?

ジャニーズも同様。藤島氏が素直ではなかったことが問題を面倒にしたきっかけです。旧統一教会については謝罪会見というより宣戦布告と取ってもおかしくない100億円供託金案が飛び出すなど謝罪会見は炎上会見となったのが今年のハイライトだったと思います。

では謝罪するほうに全面的に問題があったのか、と言えばそうとも言い切れず、私は3割はメディアと聞き手に問題があると思っています。記者は目立つ記事を書かないと似たような記事がごまんと出る中で埋没してしまいます。なのでより過激なタイトルをつけないと「おまんまの食い上げ」なのです。以前から時々指摘するように日本にはメディアとか記者の類が多すぎるのです。読み手という需要が無限にあると勘違いしているかのごとく、「おれ、筆には自信がある」という腕自慢大会のような状況なのです。

次に読み手も日常のストレスフルな生活の中で「スカッとする」代弁をしてくれる記事が欲しいのです。つまり勧善懲悪型で「謝罪会見のフラッシュの向こうは罪人」という期待度を満足させてもらいたいわけです。酷い書き方ですが、人の意識なんてそんなものです。

つまり謝罪大国日本において今や謝罪では許されない更にステップアップした恐ろしい吊し上げ社会が生まれたということです。外から見れば異常というか変態に近いと思います。

今回の謝罪の多くが企業の不祥事と違い、社会一般と密接度が高く、バラエティ番組でも取り上げられやすい問題ばかりだったことも不運だったと思います。

NHKも紅白歌合戦をやめて紅白謝罪合戦でもやった方が視聴率はぐっと上がると思いますがね。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年11月17日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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