個々の症例の情報不足であるならば、病理解剖や司法解剖をもっと増やすべきだと主張する人がいます。基本的には賛成ですが、脳・心血管疾患に限った場合、解剖が増えればα評価が増加するとは私には思えません。何故ならば、高齢者の場合それらの疾患が偶発的に発症することはまれではありませんので、因果関係のある発症との鑑別が極めて困難であるからです。
A2については、心筋炎の場合は、血中遊離スパイク蛋白質の存在がマーカーとなる可能性がありますが、脳・心血管疾患の場合にはそのようなマーカーは現時点では発見されておりません。他には免疫組織化学的研究が期待できます。障害された臓器においてS抗原陽性・N抗原陰性であれば、コロナワクチンにより臓器が障害されたことのエビデンスとなります。あとは病理解剖などを地道に積み上げていけば、将来には何らかのマーカーが発見される可能性がありますので、それに期待したいと思います。
脳・心血管疾患においては、現時点で一番期待できるのはA3の疫学的エビデンスだと、私は考えます。コホート研究やSCCS法では有意差は示されていませんが、SCRIデザイン(self-controlled risk interval design)の統計解析は十分に実施されているとは言えません。
厚労省が公開しているデータより作成したグラフです。
発症は接種後1週間以内に集中しています。これは報告バイアスによるものなのか、本当にそのような分布なのか、はっきりさせる必要があります。報告バイアスが極力生じないようにデータを収集し、リスク期間を接種後0~7日に設定して、SCRIデザインにより統計解析することが望まれます。
疫学的エビデンスが示されると直ちにα評価に変わるとは言えませんが、α評価される蓋然性は高くなるとは言えます。逆の言い方をすれば、脳・心血管疾患の場合には、疫学的エビデンスが示されない限り、何時までたっても1件もα評価されないと予想されます。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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