現行ハイゼットのトランスミッションは2種類
現行ハイゼットトラックのトランスミッションは5MTとCVTの2種類だ。
2021年末にハイゼットカーゴ/アトレーのモデルチェンジとともにハイゼットトラックにもビッグマイナーチェンジがあり、新開発のCVTが登場したのだが、それ以前のオートマは4ATだった。
一方、現行のキャリイのトランスミッションは5MTと4ATだ。
少し前までキャリイにはAGSという5速セミオートマッチもあったが、これは廃止になってしまったようだ。
そして、ハイゼットにもキャリイにも4WDがあり、悪路での走破性を高めるデフロックなどの機構が備わるものがあるが、長距離走行とはあまり関係のない話題となるので、今回はそれらについては触れないでおく。

マニュアルとオートマのどちらが良いかという話になると「軽トラはオートマよりマニュアルの方が良い」と言う人は結構多い。
また、例えば「悪路では……」と説く人もいるが、未舗装の林道程度なら殆ど関係のない話なので、一般的には気にする必要のない話だ。
マニュアルとオートマどちらの軽トラも使用経験があるが、好きな方を選んで全然構わないと私は思う。
長距離を走る際は街中を走るよりシフトチェンジも少ないからMTで良いといった考え方がある。
渋滞とは無縁で信号の少ないようなところに住んでいたらMTでも全然面倒に感じることはない。
街中に住んでいる人は普段使いで面倒が少ないという理由でATを選ぶ人が多いのではないかと思う。
これらが一般論だ。

しかし、本当は私も以前はMTの方がどちらかと言えば好き(運転が楽しいとか勝手にシフトアップせずに自分の意志でギアを選べるなどの理由で)で、歴代の愛車も圧倒的にMTの方が多かったのだが、現在使用中のハイゼットジャンボは4ATだ。
渋滞とは無縁で信号が少ないところで暮らしていて、遠出に使いたい私がATを選ぶのは、一般論と矛盾しているように思える。
しかし、何故ATを選ぶようになったかと言えば、渋滞と無縁なところで暮らすようになってからは、渋滞や短い間隔で信号のある道がどんどん苦手になるばかりで、MTのクルマを運転していて渋滞にはまることなど想像するだけでうんざりするようになってしまったからだ。
近場で使うだけならMTで全く問題ないのだが、むしろ遠出をした時の方が渋滞に遭遇する可能性が高くなってしまうわけで、遠出をしたときに疲れないようにと現在はATを選ぶようになったということだ。
ともかく、現行2車種はオートマ/マニュアルどちらも選べるので、人の意見に流されず、自分の使い方の優先順位に合わせて選ぶのが得策だと思う。
それで、私が現在使用中のハイゼットジャンボは初年度検査2020年2月なので、先程書いた通りCVT ではなくて4ATだ。

新しいもの(CVT)が出てしまうと旧タイプを古く感じたり、劣るように感じたりすることもあるかと思う。
しかし、4ATのシフトチェンジも十分に滑らかで快適だ。
そして、4ATはDレンジと2速のチェンジ以外にレバーの横にODオフスイッチが付いていて、これが地味に便利だったりするなど、4ATにも案外利点がある。
最新のCVTバージョンは運転したことがないので確かなことは言えないが、特別引けをとるようなことなどないと思うので、ハイゼットの中古を探す際は、安心して4ATを選んで大丈夫だ。
ところで、CVTと4ATとでは仕組みが大きく異なるが、高速道路の走行や遠出で大きく差が出てしまうのは、実はCVTと4ATの違いより、オーバードライブの有無、3ATと4ATの違いではないかと思う。

私のホンダバモス(軽トラ アクティの兄弟)は3ATなのだが、60km/hくらいまでならオーバードライブ(4速)がなくても特に不満を感じることはない。
しかし、80km/h出るとやはりオーバードライブが欲しいと感じるようになり、それ以上出ると「ホンダだからってオートバイじゃないんだから。」と言いたくなるエンジン回転数に上がってしまう。
更に、高速の上り坂で4速のオーバードライブから3速にシフトダウンするのと、トップの3速から2速にシフトダウンするのとではそれよりもっと大きな違いが表れる。
80km/hで2速に落ちると気分的にも結構キツイ。
3ATで高速道路を走行できないわけではないし、実際にバモスで千葉県から高速道路を使って四国とかまでも行っているが、やはり高速道路を走行するならオーバードライブは欲しくなる。
中古では3ATの軽トラもまだ多く出回っている。
バモスは譲り受けたクルマなので文句はないが、自分で買うなら私は3ATの軽トラを選ぶことはない(買ってはいけないという意味ではない)と思う。
一般道が殆どで、滅多に高速道路を使う予定がないのであれば3ATでも十分だとも思うが、高速道路を使った遠出に使用するのであれば4AT・CVT・5MTの何れかをお薦めする。
燃費は16km/L前後
次に旅の経費に大きく影響する燃費についても触れておこう。

4ATのハイゼットジャンボの燃費は、正直言って現在の高性能な軽乗用車やコンパクトカーなどには到底及ばない。
今時の乗用車を基準にされたら「そんなに悪いの?」といった評価を下されてしまうこともありそうだが、自分の乗ってきたクルマの中ではトップクラスの良い方なので、個人的には十分満足している。
当たり前だけど燃費は走行条件によって大きく変わり、平地を60km/h前後で走行している時が一番良く、最高で20km/Lくらい走ったこともある。
しかし、登り坂が多かったり停止と発進の繰り返しが多かったりするような道では割と顕著に燃費に影響するようだ。
また、例えば別の愛車E25キャラバン(排気量2500ccガソリンエンジン)は高速道路を100km/h前後で走行している時の燃費が最も良いが、大きなクルマとは違い、ハイゼットは一般道を定速走行している時より高速道路を走行しているときの方が燃費が落ちる。
渋滞が多くて最悪で12km/Lなんてこともあったが、概ね燃費は16km/L前後といったところだ。
しかし、タイヤを軽トラ軽バン用のザ・スタンダードなYOKOHAMA SUPER VANからオールシーズンタイヤに履き替えてから1~2km/L落ちている。

他のクルマでこんなに違いを感じたことはないのだが、タイヤも結構燃費に影響するようだ。
スタッドレスを履くほどでもない(結局この冬一度も雪道に遭遇しなかった)し、スタッドレスより乾燥路でもウェット路面でも性能が良いので冬はオールシーズンタイヤを履かせていたのだが、もう雪の心配もないので、またSUPER VANに履き替えようと思う。
SUPER VANは価格が安く、見た目もちょっとA/T(オールテレーンタイヤ)ぽくて悪くないし、燃費も良くて、なかなかに素晴らしいタイヤなのではと思う。