毎日新聞社で首相官邸や立憲民主党、外務省などの政治取材に携わり、現在はフリーランスの政治ジャーナリストとして活動する宮原健太さん(31)。
文春オンラインやプレジデントオンラインなど雑誌やウェブメディアで政治動向を伝える記事を執筆しているほか、“記者VTuber”ブンヤ新太としても活動しています。
インタビュー最後となる今回は、大手新聞社の政治記者だった宮原さんが、どうしてフリーランスとなり、さらにはVTuberとなったのかを聞いていきます。
これまでに宮原さんに行ったインタビュー記事はこちら(↓)から
「ビジネスで政治を知ることが大事なワケ 政治ジャーナリスト・宮原健太にイチから聞いた【Part1】」
「政治のニュースってどう見たらよいの? 政治ジャーナリスト・宮原健太にイチから聞いた【Part2】」
「「個人が行動したって政治は変わらない?」と政治ジャーナリストに聞いてみたら【宮原健太氏インタビュー・Part3】」
20年後には新聞がなくなる?
―――宮原さんは、2015年に毎日新聞社に入社して、今年2月に独立しました。なぜフリーランスになろうと思ったのか教えてください。
新聞の発行部数は、どんどん減っています。
2012年から2022年にかけて、一般・スポーツ紙合わせて全体で1,700万部ぐらい減っているんですが、単純計算だと、あと20年経ったらゼロになっちゃうんですよ。要するに新聞業界は厳しいんです。
ユーザーが新聞を購読する代わりにネット上で有料会員となってくれているのならば問題がありません。しかし、残念ながら新聞社は有料会員を獲得できていない状況にあります。
その根本的な原因は、ニュースがそのまま商品としては売れない時代になっていることです。
Yahoo!ニュースなどに無料の情報があふれてしまっているので、読者に「情報を買う」というマインドがない状態になっています。
ただ、マスコミは情報を売らなきゃいけません。そこで、どうすればいいのかを考えると、“ファンベース(の考え方)に舵を切らないといけないんじゃないか”と言われています。
つまり、情報を売るだけじゃなくて、読者にその媒体、あるいはその発信者のファンになってもらうという考え方です。
私は、これからは報道もファンベースで売っていかなくてはいけないという考え方に共感していたので、会社に籍を置いていたときからYouTuberとして活動し始めました。