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「銀行融資のリスケが行われたら EMERGENCY 」と言うのは経営コンサルタントの横須賀輝尚氏。リスケというのは、「リ・スケジュール(reschedule)」のことで、要は銀行への返済計画をもう一度見直す。つまり、いまの返済計画ではもう返せないということです。

こうなったら、もう会社はダメなのか?金融機関は会社をどのように判断、評価しているのか?今回は、横須賀氏の著書「プロが教える潰れる会社のシグナル」より、再構成してお届けします。

金融機関の評価構造とは?

金融機関は一般的に、取引先をこのように分類しています。金融機関によって言葉やステージの違いはあれど、おおよそこんな感じです。

金融機関の評価構造

正常先 要注意先(非管理と要管理にわけられる) 破綻懸念先 実質破綻先 破綻先

2以降が要注意先。3、4となればなるほど、破綻に近づき、5が破綻先。こんな評価構造になっています。3、4、5と評価されると、まず追加融資は不可能です。

リスケになると、金融機関の評価は2となり、さらに「要管理」となります。監視下に置いておかないとこの会社はマズいぞってことですね。こうなると、金融機関は回収モードに変わります。

そして、リスケしても利息の支払いは発生しますので、利息の延滞管理など、要は「圧」が変わってくるわけです。一日でも延滞を出さないように、社長に朝から電話、会社へも電話、最後は訪問と。なので、リスケはわかりやすいシグナルだといえるでしょう。

ところで、バブル崩壊後に「貸し剥がし」という言葉が話題になりました。これは金融機関が貸し先に融資や減額を取りやめたり、返済期限が来る前に返済を迫ることをいいます。

バブル崩壊後は、地価や住宅価格が大幅に下がりました。簡単に言えば、金融機関は貸し先が資産となる不動産を保有していたから、それを担保としてお金を貸していたわけです。この不動産の価格が下落したことで、回収不能になる可能性を考え、「貸し剥がし」に走ったという背景があります。

「銀行は絶対に潰れない」という神話も、このとき崩れ去りました。北海道拓殖銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行、山一證券、三洋証券など大手金融機関が倒産したことは有名な話でしょう。

いまでは、こうした極端な貸し剥がしは例外を除いて行われていないようですが、その例外のひとつが「資金使途相違」の場合。借り入れというのは、資金使途があって成立します。

例えば、「運転資金・諸経費支払いのため」に借りた場合に、不動産を購入するのは約束違反、つまり資金使途相違になるわけです。この場合、諸事情は割愛しますが、金融機関は回収不能にならないように動き始めます。

だから、リスケ自体は危険なシグナルですし、「銀行から借り入れしたから、高級車買ってやった」というのも、かなり危ないといえるのです。

いままでになかった社長個人からの出金が始まる

会社のお金で回らなくなると、社長の個人資産に手を付けることになります。なかなか規模が大きい会社だとありえませんが、中小企業ならありえます。

一番わかりやすい社長個人からの入金は、役員報酬からの返還です。会社にお金がなくなってきたら、当然経営はできません。そこで、なんとかするために個人のお金を会社に入れます。

これを「役員貸付金」と呼びますが、社長個人の入金が始まったら、いよいよ会社にお金がなくなってきたということです。 さらに、個人のお金もなくなると、役員報酬の自転車操業みたいなものがはじまります。