多種多様な幅を持つカジュアルファッションには一体どんな時計を合わせるべき? 多くの人が密かに悩んでいる問題を解決すべく、時計と服のバランスを追求する戸賀編集長にベテランライターがインタビュー。興味深い3本のコレクションからリアルな現状が見えてきます。

リッチなオジサン界隈では“4桁時計”がお約束!?

スーツなどのドレススタイルに合わせる時計はイメージしやすいもの。しかしカジュアルスタイルに合わせる時計となると、途端に難しさを感じてしまうと言います。ソレというのもスーツなどと異なり、カジュアルスタイルは組み合わせの範囲が膨大で、その境界もアイマイだから。そこで数々のファッション誌で指揮を執り、本格時計の実戦経験も豊富な戸賀編集長に急遽メンダン。イケてるカジュアル・ウォッチとそのスタイルはどうあるべきかを、リッチなオジサンの目線でうかがってみました。

長谷川 以前から男の装いはカジュアル化傾向に進んできました。そしてパンデミック後はさらに複雑になっていますよね? いわゆるカジュアルスタイルもキレイ目からモード、ストリートにワンマイルなどいろいろ混在していてもう大変(笑)。そして、それぞれにマッチした時計を探すべき、となるとサスガに考え込んでしまいます。その辺、戸賀さんはどのようにセグメントしてますか?

戸賀 そうですね、多様化といった概念も高まってきているから、限定すること自体ナンセンスになっている部分もある。でもやっぱり、大人の装いは一定のルールが存在します。それに沿って自分らしく着けて楽しむのが一番かなと思っています。

いかなるオフシーンにもマッチする傑作

長谷川 たとえば戸賀さんといえば、僕は昔からモナコのイメージを持っているのですが(笑)、モナコの場合はどんなコーディネイトを実践していますか?

カジュアル時計の幅とはナニか!? 戸賀編集長のオフスタイル時計選びの視点
(画像=『JPRIME』より 引用)

戸賀 僕がモナコをしていると「トガッチ、ほんっとソレ好きだね!」と言ってくる人、本当にいますから(笑)。しかし、この時計はある種の最強モデル。本格スーツ以外のすべてのファッションにマッチするし、着けるシーンや着ける人の肩書きも問わない傑作だと思っています。

長谷川 ちょっとラグジュアリーなニットジャケットやラフなジーンズスタイルにもマッチしますからね。その他、リゾート風の装いでもOKというのは確かにオールマイティです。

カジュアル時計の幅とはナニか!? 戸賀編集長のオフスタイル時計選びの視点
(画像=『JPRIME』より 引用)

戸賀 なによりモナコには語れるエピソードがたくさんある。マックイーンのストーリーにはじまり、マニアック方面でいえば左リューズの起源やV4のこと、それに文字盤の種類や限定アイテムの多さもポイントです。

長谷川 そうだ! 数年前のオリーブグリーンのメンズクラブ別注モデルは、戸賀さんの仕掛けですもんね。あれは僕もほしかったー(笑)。ソレは置いといて、じゃあモナコさえあればもう大丈夫だと。でも戸賀さんはリシャール・ミルなども持っていますよね?

戸賀 確かにモナコの延長線上の1本だと言うことはできるでしょう。しかし着けていける場所が少々限定的すぎるかも知れません。もう少し自由に自分らしくファッション的に時計を楽しみたいと今は思っています。そう言う意味で現在の最強時計は、オーデマ ピゲのロイヤル オーク オフショアかもしれません。