開幕から3シーズン目を迎えた2023/24シーズンの日本女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)。11月11日~12日に行われた第1節では5試合が行われ、新シーズンスタートに相応わしい熱い試合が各地で繰り広げられた。今季新たにセレッソ大阪ヤンマーレディースが加わり12クラブとなったWEリーグで、どんな展開が待ち受けているのか、国際試合で活躍する選手たちにも注目だ。
ここでは11日に行われた、ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディースの試合を振り返り、マイナビ仙台の期待の新星と今後の課題についてみていこう。
マイナビ仙台に敗れたエルフェン埼玉の技術力
熊谷スポーツ文化公園陸上競技場(埼玉県)で行われた第1節ちふれASエルフェン埼玉VSマイナビ仙台レディース。強い日差しのなか14時にスタートした試合は、強風の影響を受けボールが風にコントロールされる場面も見られた。そんな環境下、両チームともにセットプレーで得点を狙う動きが見られたが、全体を通してマイナビ仙台がボールを保持しややリードする形で進み、3-1で仙台が新シーズン初勝利を挙げた。
キャプテンのMF吉田莉胡を中心に、スピードのあるボール回しやドリブルで得点チャンスを狙ったエルフェン埼玉。吉田は今季、これまでの背番号24を10へと変えた実力ある期待の選手だが、マイナビ仙台の粘り強いディフェンスに阻まれ、自身でゴールを決めることは叶わなかった。しかし、吉田の巧妙なパスがFW瀬野有希にシュートチャンスを与えており、重要な場面では常にキャプテンの働きが感じられた。残念ながら得点には結びつかなかったものの、チームに絶大なチャンスを与えていたと言えるだろう。
また、瀬野が決めたチーム唯一の得点をアシストしたのがMF瀬戸口梢。後半開始早々、瀬戸口の美しいコーナーキックが瀬野の頭上へ吸い込まれるように流れると、瀬野はそのままヘッドで得点し会場を沸かせた。惜しくも1得点のみにとどまってしまったが、全体的にスピードのある動きや正確なパス、得点に繋がるコーナーキックなど随所に見られた技術の高さは、今後の試合でも大きな武器になると予想する。