鎮痛剤や湿布薬など、誰でも安易に使えるような処方薬って案外手元に残りがち。しかし、「家族だからいいかな」と使いまわすのは実はNGなんです。
市販薬と処方薬の違い
巷で広く売られている「市販薬」。実は処方される薬と決定的な違いがあります。
それは、様々な症状に対して広く効果を発揮できるように、数種類の薬剤がブレンドされているものが多いということと、処方薬よりも弱めに配合されているということ。
例えば市販の胃薬は1包に有効成分が複数配合されており、効果効能も胃の様々な症状に対応しています。その代わり、処方薬よりも効果はマイルド。配合されている薬剤も処方薬を10とすると5~7割程度のものが多くなっています。
対して処方薬はひとつの薬でひとつの薬効成分となっており、風邪薬に処方されるPL顆粒などごく一部を除いて「一症状一薬剤」が原則となっています。
例えば処方された胃の薬。症状に対して適切な薬剤を医師がピックアップして処方するので胃の薬と言っても胃痛を抑えるものから胃粘膜を保護するもの、胃酸を増やすものや抑えるものと多種多様。胃粘膜保護剤だけでも実に十数種類以上もあり、他の薬との飲み合わせやアレルギーの有無、その他諸々の条件などから使えるものをピックアップしていきます。
ひとつの薬剤でひとつの症状にガッツリ対応するので効果も強く、その分副作用も市販薬より出やすくなってしまいます。
処方薬は「専用オーダーメイド処方」
胃薬ひとつとっても、市販薬と処方薬の間でこれだけの違いがあるということをお分かり頂けたと思います。市販薬が誰でも内服できるように調剤してあるのに比べて、処方薬は一人ひとりの症状に応じ、さらに諸々の条件をクリアしているものが選ばれる「その患者さん専用オーダーメイド処方」となっているのです。
ただ、よく出る症状に対しては半ばルーチン化しているものも少なくないので、オーダーメイド処方ということを忘れがち。家族間でも使い回してはダメなのは、オーダーメイド処方だから。
おばあちゃんの腰痛に処方された湿布薬を、子どもが腕の筋肉痛にと1枚もらって使うのも実はアウト。おばあちゃんが使っている湿布はもしかしたら光線過敏症を引き起こす可能性がある湿布かもしれません。
腰なら直射日光が当たらないので問題は出にくいですが、光線過敏症を引き起こす可能性のある湿布を貼ってしまったら、直射日光を当てたその日からはがして数日経ってもその部分に皮膚のただれが出る恐れがあります。
市販の湿布であればこうした副作用は極力抑えられるように成分が配合されているのであまり心配はいりませんが、処方された湿布は効果が最大限に出る配合されているのでかぶれやただれといった副作用も市販のものに比べて出やすくなってしまいます。
また、ロキソプロフェン(ロキソニン)やイブプロフェンなどの解熱鎮痛剤はアスピリン喘息の既往がある人には使えないので、喘息がある家族がいるといった場合、注意しておく必要があります。