チャクラが覚醒した賢人たち
では次に、各チャクラが著しく覚醒した人や、チャクラの働きによって世界に名を轟かせた人々を紹介しよう。
・ ムーラダーラ/スワディスターナチャクラ(第1/2チャクラ)の覚醒者
前述の通り、身体の下方に位置するチャクラほど動物的次元が強く、それが目覚めると野性的本能が強くなる。強靭な身体を作るための「肥田式強健術」を生み出して“超人”と呼ばれた肥田春充氏(1883~1956)などは、鍛錬によってスワディスターナチャクラが目覚めたようだ。
しかしこのチャクラの扱いは難しく、一般のサラリーマンなどが覚醒すると部下と強引に性的関係を結ぶといった例もよく見られるが、このような傾向が顕著であるのは、やはり新興宗教やカルトの教祖だろう。社会生活を営む上では覚醒しすぎる危険性を伴うチャクラでもあるため、ヨガ修行ではマニプラチャクラ(第3チャクラ)よりも上にあるチャクラを先に覚醒させることをすすめるグルも多い。
・ マニプラチャクラ(第3チャクラ)の覚醒者
日本の霊能者の多くは、胃のマニプラチャクラが働いており、エネルギーなどを「受ける」こと、つまり受動的な降霊現象などが得意だ。1980~90年代までテレビで活躍した霊能者・宜保愛子氏もこのタイプと考えられる。
宜保氏については、その能力の真偽を疑う人々が多く、40年以上にわたり超常現象を研究してきた筆者の見解も「ブラックの部分がないとは言い切れない」というものだが、肯定的な側面もある。かつて宜保氏は、テレビ番組の企画でAMI(経絡臓器機能測定装置、チャクラの働きを科学的に推定できる)の測定に臨んだ。その結果、マニプラチャクラの気エネルギーが強いと認められたのだ。その時、AMIの開発者である本山氏は「あまり霊能力を使うと長生きできなくて損しちゃうよ」とアドバイスを伝えた。ところが、宜保氏は精力的にテレビ番組に出演し続け、2003年に“胃がん”で帰らぬ人となった。霊能者や超能力者が一つのチャクラに対応する能力を駆使し続けると、対応する臓器に異常が生じて短命になる場合がほとんどなのだ。
・ アナハタチャクラ(第4チャクラ)の覚醒者
心臓の辺りにあるアナハタチャクラの覚醒者として誰よりも有名な人物は、やはりイエス・キリストだろう。「愛のチャクラ」であるアナハタが目覚めたことで、愛を最優先とする教えを説いた。また、インドの慈愛の聖母アンマも同様のケースといえる。イエスは公衆の面前で水をぶどう酒に変え、そしてアンマも水をプディングにしてみせたが、このような物に働きかける超能力は、まさにアナハタチャクラ覚醒の賜物である。
日本では、「新体道」という体術の創始者である青木宏之師が、手を触れずに“気”で相手を倒す「遠当て」の達人として知られるが、AMIで青木師を8回測定したところ、8回とも「アナハタタイプ」という結果が得られている。
・ ヴィシュダチャクラ(第5チャクラ)の覚醒者
喉の辺りに位置するヴィシュダチャクラが目覚めると、透視能力やテレパシーが使えるようになる。本山氏によれば、これらの能力は、他のチャクラが覚醒した時と比べものにならないほど次元が高く、人の過去生までわかるようになるという。そして、食物を摂取することなく生きられるようになった人々も多い。インドの聖者パラマハンサ・ヨガナンダ師が著した『あるヨギの自叙伝』(森北出版)に登場するドイツの聖女テレーゼ・ノイマンや、インドのギリバラという女性ヨガ行者がこれに該当する。ギリバラに至っては、なんと50年間も食物を口にしなかったという。日本人では、明治時代の超能力者・長南年恵(ちょうなんとしえ)氏が20歳の頃からほとんど食事を取らず、生水しか口にしなかったといわれる。
存命中の人物としては、過去の記事でも紹介されているが、オーストラリア生まれの女性ジャスムヒーン氏が知られている。彼女はすでに20年間もほとんど物を食べずに生きており、それは「プラーナ(宇宙エネルギー)」を摂取しているから可能なのだと語っている。
いずれにしても、こうした人々はヴィシュダチャクラで変換された別次元のエネルギーを取り込んでいるため、何も口にせず生きていけるようだ。彼らに共通することは、実際の年齢よりずっと若く見えることだが、内臓などを酷使しないため老化が抑えられているのかもしれない。このチャクラが多少開いている筆者自身、1日1食で何ら問題なく生きており、常に実際の年齢より10歳以上は若く見られる。さらに特筆すべきは、このような不食人間たちが、なぜか女性ばかりである点だが、理由は不明である。
・ アジナチャクラ(第6チャクラ)の覚醒者
眉間のアジナチャクラが目覚めると、自己統制が効き、常に全体の立場から物事を捉えて行動することができる。直感に優れ、物事への執着心も消える。歴史に名を残す発明や発見を成し遂げた人々の多くは、同チャクラが働いていたと推測できる。
もっとも代表的な覚醒者は、やはり釈尊(ブッダ)だろう。本山氏によれば、釈尊は長年の修行の末にアジナチャクラが目覚め、自分や他人の過去生や輪廻転生の法則、地球の成り立ちに至るまで、宇宙の真理を悟ることができたという。著名な思想家や芸術家も、実は同チャクラが働いていたという事例は枚挙に暇がない。筆者自身、過去5回のAMI測定結果を見ると、(ヴィシュダやマニプラほどではないが)アジナチャクラに気の流れが見られた。歳を重ねるに従ってその働きも活発になり、執筆をはじめとする創作活動に影響しているかもしれない。