その点からするとワーホリに限りませんが、女性の方が自由奔放、自分探しをしっかりするタイプの方が多く、潜在的には彼女たちの方が案外、広い視野をもった能力を持っているのかもしれません。ただ、30歳前後で再就職となるとどうしても資格を持った方で帰国後も再就職しやすい環境の方が多いのでしょう。看護師さんなどスキルをお持ちの方が当地に来るのも再就職がしやすいことがあるのだと思います。

ワーキングホリディに限らず、日本人が海外の個人旅行を始めたのもその頃。「地球の歩き方」が発刊されたのが79年で私はまさにそれを片手に海外旅行を満喫していました。欧州編は大変役立ち、素晴らしいナビゲーターでありました。その「地球の歩き方」は長らくダイヤモンド社発行でしたが不振となり、装いを新たに学研の子会社として再スタートを切っています。

日本は島国故に海外を見聞するのはとても意味あることです。明治維新の頃、多くの日本人が欧州を目指し、そこで数多くの発見や気づきがあったことから近代日本における開眼となったのは言うまでもありません。西郷隆盛が鎖国を続ける朝鮮に「このままではロシアに取られる」という危機感を持ち、同国に開国を迫るという話は黒船におののいた時から実に短い期間での大転換だったとも言えます。

本心を言えば男性がもっとこの制度を利用できればよいと思います。1年間フラフラしたら再就職は絶対に出来ないと思うのは逆に言えば自分の仕事のスキルに自信がないということです。採用する側も「1年もほっついた洋行帰り」という妬み交じりのネガティブな評点をする狭い心を改善すべきでしょう。

私の周りには80年代にワーホリで来て居ついた男性の仲間が沢山います。そして彼らは一様にしっかりと資産を得、仕事を持ち、ワークライフバランスをエンジョイしています。そして皆、一過言ある人は多いと思います。正直、ウザい人もいますが、それは日本国内でも同じでしょう。

せっかくの制度、利用できる人はぜひ検討されたら良いと思います。

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2023年11月12日の記事より転載させていただきました。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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