クリスマス市場襲撃テロ事件といえば、2016年12月のベルリンのクリスマス市場襲撃事件を思い出す。ドイツの首都ベルリンで同年12月19日午後8時過ぎ、テロリストが乗る大型トラックが市中央部のクリスマス市場に突入し、12人が死亡、48人が重軽傷を負った。また、フランス北東部ストラスブール中心部のクリスマス市場周辺でも2018年12月11日午後8時ごろ、29歳の男が市場に来ていた買い物客などに向け、発砲する一方、刃物を振り回し、少なくとも3人が死亡、12人が負傷するテロ事件が起きている(「欧州のクリスマス市場はテロ注意を」2018年12月15日参考)。

ちなみに、フランスのニースのトラック突入テロ事件後は、イスラム過激派には「トラックをテロの武器に利用し、可能な限り多くの人間を殺害せよ」という檄が発せられたという情報が流れたこともあって、それ以後、公共建物やクリスマス市場に大型トラックの侵入を防止する「アンチ・テロ壁」の設置が進められてきた。

例えば、ウィーン市庁舎前広場のクリスマス市場では路上から市場に大型トラックが侵入できないようにコンクリート製のポラードが設置されている(「大型トラックが無差別テロの武器」2016年12月21日参考)。

ウィーンから数百キロしか離れていないウクライナで戦争勃発後2回目の冬が訪れている。ウクライナの冬は厳しい。ロシア軍の攻撃で多くのエネルギー・インフラが破壊されたため、ウクライナ各地で大規模な停電が発生し、暖房もない部屋で休まなければならない国民が多い。

一方、イエス・キリストの生誕地の中東ではイスラエル軍とパレスチナのイスラム過激テロ組織「ハマス」との戦闘が続いている。女性、子供たちが犠牲となっている。ユダヤ教もイスラム教もアブラハムから派生した兄弟だ。そのイスラエル人とパレスチナ人の間で新たな憎悪が拡散されている。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2023年11月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』をご覧ください。

提供元・アゴラ 言論プラットフォーム

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