基礎学力を高めることと自学の達成感を得られることが公文式のメリット

 公文式では昨今、入会者の低年齢化が進んでいるそうだ。

「今まで未就学児や幼稚園生、保育園生から通わせられた公文式ですが、最近では『Baby Kumon』があり、乳幼児といった低年齢層にまで浸透していっています。Baby Kumonでは、何かに取り組んで学ぶというよりも、遊んでいるなかでさまざまなことが学べるので、学習することを生活の一部として溶け込ませやすい教材だといわれています。このように、自ら学ぼうという意思を持たないうちから、学習習慣を身に付けさせることができるということから、対象が乳幼児にまで広がりを見せているのでしょう」(同)

 小さいうちから学習習慣を身に付けることができるという公文式の学習法だが、一部では中学受験や高校受験などを意識した内容になっていないという指摘もあるようだ。確かに、難関中学や高校の受験対策に力を入れる大手の進学塾と公文式は一線を画すが、清水氏は「受験において土台となる力を公文式では養うことができる」と語る。

「国語を例にとると、公文式の教材では音読をよく取り入れているのですが、公文式で求められている音読の仕方は、学校で求められている音読の仕方と少々異なります。学校の音読では感情を込めて読むことを求められることが多いのですが、公文式では決まった時間内に文章を音読し、つっかえずにスラスラと文章を読むことが求められます。

 公文式では文章の品詞の問題でも、その特定の品詞が文章のどの部分にかかっているのか判断する問題などが出てきますが、学校によっては時間の都合上そうした部分を丁寧には教えてくれないところもあります。しかし、このような学習は、話の組み立て方や、文章の読み方を理解するのに重要な要素なのです。これはあくまで一例ですが、公文式は学校で丁寧に教えてもらえないような学習の仕方を合理的に学べ、基礎学力を高めてくれるというところがメリットと言えるでしょう」(同)

 では、公文式がもっとも重きを置いている目的は何なのだろうか。

「子どもに自学の達成感を味あわせることが最大の目的ではないでしょうか。『やればできる』という自己効力感を、自学を通して高められることは、子どもにとって、勉強することに対する自信になり、勉強を好きになるうえで大事な要素でもあるのです」(同)

(文=A4studio、協力=清水章弘/教育アドバイザー、「勉強のやり方」を教える塾プラスティー代表)

提供元・Business Journal

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