黒坂岳央です。

「断る」という行為は誰しも気が進まないものだろう。せっかく頼んでくれた相手の気持ちにNOを突きつけると、相手は嫌な気持ちにならないだろうか?優しい人ほどNOがいえずに苦しむということが起きる。筆者は昔、NOをいうのはとても苦手だった。お誘いを受けても優柔不断で、断り方が弱いことで引っ張られていき、いやいや参加した先で「やっぱり断ればよかった」といつも後悔することを繰り返していた。

現在は仕事の依頼や売り込み、その他のお誘いを受けることが多くなった。経営している会社では正社員採用の際は面接の場に赴き、時には不採用の判断を伝えることもある。

仕事柄、たくさんのお断り経験を経たことで、今では相手から恨みを買わないような上手な断り方ができるようになった。そのコツをシェアしたい。

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相手から断る方向へ持っていく

一番いいのは、オファーを出してきた相手側から「やっぱりやめておきます」と自分から断る方向へ持っていくやり方だ。

たとえば「ぜひ一緒にお仕事を!」と熱心に申し込まれることがあってお断りをする時は、「いえ、こちらにメリットがありませんので」みたいなストレートな物言いで断ると、相手はバカにされたと感じてわだかまりが残ったり、対応が失礼だと悪い印象を与えてしまう。下手をすると自尊心を傷つけられたと恨みを買うこともあり得る。そのため、キッパリと「いりません」と言いづらい時は、相手にメリットを提供できないことを冷静に伝えるといいと思っている。

先日も熱心なオファーを頂いたのだが、「御社が希望しているのはこういうことだと思うのですが、現在こういう状況でおそらく期待されている価値をこちらが提供するのが難しいと思います。せっかく一緒にお仕事をしても、お役に立てなければかえってご迷惑をおかけしてしまうので」という趣旨を伝えると自然な流れでクローズできた。

先方に問題があるといわず、あくまで自分の都合で相手が期待するような価値提供ができないと伝えることで相手はオファーする理由がなくなり、自然に相手から話を流す方向へ持っていくことができるのだ。

誰しも断られるのはショックを受けるものだ。しかし、自分から持ってきたオファーを自ら引っ込めるようにすれば、相手から恨みを買うということもない。ビジネス取引だけでなく、プライベートの人間関係でもこの「相手から断らせる戦略」はかなり活用できる。

カチンと来ない「伝え方」が大事

お断りをして相手から恨みを買ってしまうのは、「断るという行為」ではなく「断り方、伝え方」に問題がある場合がほとんどだ。自分が実践しているカチンと来ない断り方のコツをシェアしたい。