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情報通信政策フォーラム(ICPF)では3回連続してマイナンバー問題に関するセミナーを開催してきた。

第3回で講師を務めた森田朗氏が強調したのは福祉国家の基盤としての価値である。国民一人ひとりに寄り添って手を差し伸べるため、多様な行政情報を統合して利用する、そのカギがマイナンバーである。

行政情報を統合して利用することは「監視に等しい」と懸念する国民もいる。懸念を解消するために、いつ、どの行政機関がどんな情報を閲覧したかがわかる仕組みがエストニア版のマイナンバー制度にはある。第2回で講師を務めた牟田学氏は、日本のマイナンバー制度ではこの仕組みが不十分であるとした。

マイナポータルには「情報提供等記録表示」機能が組み込まれている。ある行政機関が持つ特定個人情報を他の行政機関が利用したら、そのやり取り記録を当事者が閲覧できる。一方、エストニアでは行政機関内での利用も記録されるから、行政による不正利用を国民がいっそう監視できる。