上司の武勇伝を有難く拝聴せよ
森さんの方法は非常に正しく理にかなっている。同じようなテクニックを紹介したい。上司になる人物は、何かしら過去の栄光……、いわば武勇伝がある。武勇伝は嫌われるという意見もあるがとんでもない。上司の武勇伝こそ有難く拝聴すべきものである。
ただし、いきなり「武勇伝を聞かせてください!」とお願いするのでは、芸がない。お酒の席で聞くにしても、この聞き方では直球過ぎて上司も戸惑うだろう。わざわざ武勇伝を聞くのは、上司の自分に対する評価を上げるため、どうせ聞くならもっとも効果が高くなる聞き方をしなければ得策とはいえない。
私ならこう聞くだろう。「部長。実はここ数ヶ月、ゲキカラ商事(仮名)に営業を仕掛けていたんですが、もうちょっとのところで商談が不成立になってしまいました。部長は営業のスペシャリストと役員がいっていたのを小耳にはさんだのですが、今後の参考のために若いころの武勇伝をお聞かせいただけませんか?」
ポイントは、上司よりも上位の役職者が上司をほめていたことをさりげなく伝え、さらに自分自身の「今後のため」に上司の武勇伝を参考にしたいと伝えている点である。
上司に「学ばせてください」とお願いしているのだから、頼まれた方もこころよく受けてくれる。「教えてください」と依頼するだけではなく、言葉にふくみを加えて、上司の自尊心をくすぐることが大切であることは言うまでもないが。
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提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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