秋に入ると越冬を意識し始めたニジマスが支流や上流域をに移動を始めます。今回は、秋の小渓流で3日間に渡り、ニジマス狙いのルアーフィッシングを楽しんだ釣行の模様をお伝えします。
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(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター・小峠龍英)
気難しいヤマメやイワナに翻弄される秋の釣り
9月に入ると残暑も少しづつ鳴りを潜め一雨降る毎に水温が下がっていきます。あれほど鬱陶しかったブユや蚊などの虫をほとんど見かけなくなり、釣り自体は快適です。
しかしながら秋の釣りでは産卵を控えたヤマメやイワナはどんどん気難しくなったりサクラマスや鮭が支流や上流域にも姿を現し始めてポイントを占有していて難易度は上がるばかりです。
ニジマスは秋の好敵手
そんな中、アグレッシブにルアーに反応を見せるのがニジマスです。秋に入ると越冬を意識し始めたニジマスが支流や上流域をに移動を始めます。ニジマスの産卵は冬〜春と言われているので秋の釣りではヤマメやイワナと比べるとやりやすいと感じています。
Day 1:苦戦の渇水の小渓流で
9月の2週目、その日は秋ヤマメとニジマスを狙うべくとある小渓流の上流域を訪れました。しばらく降雨がなかった事もあり全体的に渇水している状況で苦戦が予想される中での釣り上がり。そしてその予想通り、魚影こそ濃いもののヤマメは非常に神経質な様子。
こちらの気配に勘付いたら全く反応しない厳しい展開。要所要所でアレコレと手を尽くしながら釣り上がります。釣れるヤマメもイワナは産卵に関わらない10cm程度の小型ばかり。15cm以上の魚はニジマスのみとはっきりパターンに違いが見えます。
そんな中、10mほど続くトロ瀬にてようやくフッキングまで持ち込んだ良型ヤマメをバラす痛恨のミス。
美麗な尺上トラウトを手中
”今日はダメな日かも”と思いながら岩に座って水分補給の小休止の後、遡行を再開して緩い水深のあるカーブに河畔林の影が被さったいかにもな好ポイントに辿り着きます。
姿こそ見えないものの、魚は必ず付いているであろうボサ際に狙いを定めて45mmにシンキングミノーをキャスト。フェザーリングで静かに着水させてトゥイッチを入れると2m後方からミノーめがけてすっ飛んでくる影が。
その魚はミノー後方を旋回しながら徐々に距離を詰めてきたのでそれに合わせてロッドティップを小刻みに震わせてさらに誘いをかけます。回収まであと2mのところでその魚は躊躇いなしにドンッ!とバイト、その感触から尺上クラスのニジマスと確信します。
ドラグをギュンギュン引き出し、ジャンプを繰り返す剛力は興奮ものですが、同時にラインブレイクも起こりうるので慎重にやりとりします。
一進一退の末に何とかネットで掬い上げ勝負あり。そのニジマスはサイズこそ35cmですが先程のファイトも納得する見事な体格。色合いが北米に棲むCutthroat Tout(カットスロートトラウト)を思わせる美麗な個体でした。