個人の成長を意識する

メディアで国の悲観論が掲載されるたびにコメント欄などで「日本の政治家が経済をダメにするせいで自分も貧しい思いをしている」などと書かれるのを見ることがある。影響がゼロとは言わないまでも、100%ではないだろう。

経済力をつけるなら市場価値の高いビジネススキルをつけるとか、資産運用を覚えるとか、転職するとか起業するなど様々な選択肢がある。だがそういう人ほど今度は「忙しくて時間がない」「スキルをつけるお金がない」と言い訳をするものである。

だが、過去記事で解説した通りまさしくこうした「やる前から諦めて言い訳ばかりする思考」が今の状態を作っていると思うのだ。現在成功を収めている人だって必ずしも、時間、資金、才能、若さ、状況に恵まれお膳立てされていたわけではないのだ。やる人はやる、やらない人はどれだけ理想的な環境や資源をお膳立てされてもやらない。究極的にはそれだけの話である。結局、その人次第だ。

自分は日本の政治家にダメ出しをするのは良くないといわないが、本職がエコノミストやメディア関係者でないなら、その活動に使うリソースはもったいないと思う。その時間と労力を自分の成長にあてれば自分のGDPは中国に負けないほど大きく成長できるはずである。

稚拙な自慢に受け取られたくないし手前味噌でおこがましいが、自分自身、脱サラしてGDP成長率は中国を上回ることができている。それは社会や国の成長よりまずは自分自身の成長だけにフォーカスしてきたからだと思っている。もちろん、国や社会を変えたいという志を否定するつもりはないし、政治家に立候補して操縦桿を握るならそれは立派なことである。問題は外野の安全地帯からやじを飛ばして、悲観に酔って愚痴不満ばかりして人生の貴重な時間という資源をそこに投資するべきではないと思うのだ。

仮に自分自身の人生に十分満足して余力を得たなら、そのタイミングで社会や国のためにできることを考えればいい。普通に一生懸命働くだけでもビジネスを通じた付加価値の提供、納税などそれだけで社会貢献になるし、思い切って政治家を目指して国を良くする人物を目指すのもいい。でも、まずは自分自身の成長こそが重要なのだ。

 

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