
総理大臣官邸で記者会見を行う岸田首相(11月2日)首相官邸HPより
日本経済新聞の記事(2023年10月29日)は、国民が求めているのは一時的な所得減税でないことを明確にした。
内閣支持33%、発足後最低 所得減税「適切でない」65%
この記事では、日本経済新聞社とテレビ東京が10月27〜29日に行った世論調査によると、「首相が表明した物価高対策としての所得税減税を「適切だとは思わない」は65%」で、「「適切だと思う」の24%を上回った」ことを報じている。
この結果、「岸田文雄内閣の支持率は33%で2021年10月の政権発足後、最低」となり、「内閣を「支持しない」は8ポイント上昇し59%」となった。
筆者は、岸田首相が総理になる前、BSテレビ番組を含め何度かお会いし応援してきたが、いま岸田政権は「八方塞がり」の状況に陥り始めているのではないか。
この原因は、岸田首相の打ち出す政策に骨が無いためだ。しかし、これでまでの岸田首相の発言や、いまの国会議論をみても、「賃上げ」の実現には大きな拘りをもっているように思われる。
賃上げの実現には、民間企業などが稼ぐ力を高め、成長と賃上げの好循環を実現することが本丸だが、政府にも可能な対応がある。これは以下の図表をみれば明らかではないか。

図表:名目の収入と社会保険料・税負担の推移