都市部には弱い…コロナ禍で打撃を受け200店閉店の衝撃
九州で地盤を固めた後、全国展開を続けたジョイフル。だが、西日本を中心に店舗展開できているものの、東北地方や北海道では未出店のエリアは多く、もしくは一度出店しても撤退してしまったというエリアもある。
「ジョイフルと同じ九州発のファミレスチェーン『ロイヤルホスト』は、高級感のあるメニューが特徴で、ハレの日に食べるにふさわしい店舗に仕上がっており、競合と差別化できています。しかしジョイフルのような日常的に利用してもらうというコンセプトの店は、ロイヤルホストのようにわかりやすい強みを打ち出すことができず、ニーズを獲得できないのかもしれません。その出店地域にもともと地元のニーズを獲得しているローカルチェーンがあって、ジョイフルがアンマッチしてしまっているケースも考えられます。
またジョイフルは東京、大阪、愛知などに進出できているものの、自動車で来店しやすいロードサイドでの出店がメインとなっており、都市部にはまだイマイチ進出できていないのです。やはり都市部では競合のガストやサイゼリヤが強く、切り込めていないという印象があります。現在のジョイフルのコンセプトやメニュー構成ですと、地元のローカルチェーンや都市部のガストやサイゼリヤと真っ向勝負するのは難しいでしょう」(同)
そしてジョイフルは、コロナ禍の外出規制や営業自粛により、大きな打撃を受けた企業のひとつでもあるという。
「ファミレス業界では、コロナ禍のテイクアウト時流に乗ることができないチェーンが多く、赤字が続きました。しかもジョイフルは、店舗に来てもらうことをコンセプトに据えた企業でしたので損害は大きく、約200店舗を閉店させる事態にまで追い込まれてしまっています。ジョイフルは商品力や価格競争で勝負しているチェーンではないので、すぐに売上が回復できる見込みは薄く、今後は収益体質を見直していく期間に入ると予想されます。
加えて、ジョイフルがこのままのコンセプトで営業するのであれば、ターゲット層を変更しなければなりません。未婚化、晩婚化が進むにつれて従来想定していたファミリー層の母数がどんどん減っていくことが予想されています。ですので改めて高齢者、若者など新しい客層を開拓していくことも視野に入れて、1人客や2人客にも選択肢のひとつとして認識してもらう戦略を取ることが必要かと思われます」(同)
九州随一のファミレスの雄は選択を迫られている。
(取材・文=文月/A4studio、協力=重盛高雄/フードアナリスト)
※本文中、特に表記がない情報はすべて10月30日現在のもの
提供元・Business Journal
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